劇場公開日 2013年7月13日

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「ゲテモノホラーファンは歓喜レベル?」V/H/S シンドローム Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ゲテモノホラーファンは歓喜レベル?

2017年10月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

一時、「パラノーマル・アクティビティ」等の作品の影響もあってか、フェイク・ドキュメンタリーと呼ばれるPOV(主観撮影)を用いたホラーの需要が増した。その結果供給も増大し、フェイク・ドキュメンタリー作品が乱発される様になった。しかし、世間は冷たいもので、徐々に飽きてきてしまい、現在はもうお腹一杯というところだろう。本家大元の「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの興業成績を見てみると一目瞭然である。
さて、そんなPOV氷河期の2012年に生まれた本作はかなりコアな内容だった。おおよそ万人受けはしないタイプのマニア向きホラーだ。結論から言うと、本作はエロいシーンとグロい殺戮シーンのオンパレードの作品なのだ。
メインストーリー含む全6話構成のショートオムニバスであり、作品ごとにタイトルが付けられ、監督が作品毎に異なっており、それぞれ監督の個性を味わいながら楽しむことができる作品となっている。下品でグロいという事が本作の難点だと思われるが、それがかえって唯一無二の存在として目立つという利点も生まれた。

構成としてはメインストーリーで登場人物がVHSテープを再生していき、再生していく毎にそれぞれの短編が始まるという設定だ。それぞれのストーリーに繋がりは無いが、それらがメインストーリーに影響してくるという形になる。それぞれ短編だからこそ面白い話であり、飽きずに120分の殺戮を観賞することができると思うのだが、話によっては本当に意味が分からないものがあったり、ただ単に面白くないものもあるため、短編ならではの良さと悪さが出ているように感じる。VHSという骨董品がテーマとのことで、POVの十八番である手ブレ映像に加えて画面のノイズがかなり多く、やや見にくいのも気になる所だ。
ただし、これだけは言えるのだが、ホラーファンの中でゲテモノホラーも普通に観賞可能なマニアック思考の方々には是非オススメしたい一作である事は確かだ。

Mina