劇場公開日 2013年9月13日

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「有名人の裏側、ちょっと覗いて見たいと思いませんか?」私が愛した大統領 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0有名人の裏側、ちょっと覗いて見たいと思いませんか?

2013年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

知的

私には、前から大きな謎だったのだが、政治家や、芸能人には何故スキャンダルダラスな話題が多いのか?
「この人の陰に、あの人有り」と言う具合に、必ず歴史に名を残す様な人の陰には、影の存在がいるものだ。
この映画も32代目米大統領である、フランクリン・ルーズベルトの陰の存在、決して表舞台に登場しない人間の側から、大統領の素顔を眺めてみると、どんな人間像が浮かび上がるのか?
そんな一般に知られている側面とは異なる、素の人間像がよーく見えて来て面白いものだ。
しかも、1920年代の世界恐慌の後、米の貧困層の救済を行った事で今尚高い評価を得ている人気の大統領ルーズベルト。
彼の大統領任期は、1933年から1945年迄と、第二次世界大戦を挟んでいた事で異例の4期連続当選の大統領だ。今では連続任期2回迄となっているのはみなさんご承知の通りだ。

この映画の面白さは何と言っても、「ノッティングヒルの恋人」を監督したロジャー・ミッシェルのちょっとしたユーモアのセンスが光るのだ。
英国人らしい、ウイットに富む人物の描き方に、クスクスと笑いが思わず、漏れるような、楽しさがある。
「ノティングヒルの恋人」と言う作品は、日本では絶大な支持を得ているオードリー・Hの代表作の「ローマの休日」を現代版にしてリメイクし、あの名作を新たな面白さでヒットさせた監督だ。
このロジャー監督は、外交官の家庭に生れ、世界を転々としながら育っているので、多くの異文化を幼少から体験している為か、それぞれの人物の特徴を描き出す演出が巧い!

そして、数年前「英国王スピーチ」が大ヒットした事で、ジョージ6世の人間像は日本でも有名になったが、この作品の中に於いても、ルーズベルト大統領と英国王の友情物語が克明に描かれていく。
こんな所も、外交官の息子だったと言うロジャーさんならではの、演出が楽しさを増していました。
どんな人にも、心の内を正直に遠慮なしに話せる人物がいたら、その人は幸せに暮らせる事だろう。
ルーズベルトも例外ではなく、親戚のデイジーの存在が有り救われていたようだ。
この映画ではルーズベルト大統領が、激務の生活の中で、ほんの少しだけ、安らぎを得たその時間をユーモラスなエピソ-ドで綴って行く。
アメリカに於いて、第二次世界大戦中、日系人の強制収容所を作り、収容所に送り込んでいた事で、彼に対してあまり良い印象を持っていなかった私だが、この作品に因って、また彼の新たな面を知る事が出来たのは、とても面白かったと思う。

ryuu topiann