劇場公開日 2013年9月13日

  • 予告編を見る

「私の知ってる大統領の秘話」私が愛した大統領 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0私の知ってる大統領の秘話

2016年3月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

知的

1933年から45年まで任期を務めた第32代大統領フランクリン・ルーズベルトの秘話。
ある意味これは暴露話でもあった。

小児麻痺で車椅子。
小児麻痺は知らなかったが、車椅子なのは確か「パール・ハーバー」でも描かれていた。
しかしこれは当時は多くの国民には知られていなかったという。

同性愛の妻、うるさい母、秘書の愛人…。
そんな中で唯一の安らぎは、従妹のデイジー。
デイジー亡き後発見された日記を基にされているらしく、本作のメインエピソード。
デイジーとの秘められた関係…。
現職大統領の不倫愛。
世が世なら、一大スキャンダル!
ベ○キーさんもゲス○さんもびっくり!
当時のマスコミは寛容で、これも一切伏せられていたとか。
大統領の不倫愛と言うといつぞやのクリ○トン氏のドロドロ劇を思い出すが、こちらは下世話ではなく一歩踏み留まるような描かれ方に好感。
まあ、実際はどうだったかは分からないけど。

邦題からすると、二人の秘恋ストーリーのようだが、もう一つメインに描かれるのが、“ホットドッグ外交”と言われる“英国王のスピーチ”ジョージ6世との会談。
来る開戦に備え後ろ楯が欲しいジョージ6世はアメリカを訪問。
ルーズベルトは人里離れた田舎に招き…。
正直、こちらの方が興味惹かれた。
初老の大統領とうら若き国王。
酷い言い方をすると、小児麻痺の車椅子の大統領と吃音持ちの国王。
アメリカとイギリス、長年のしがらみもあり、周囲はチクチク棘を刺す。
二人が執務室で互いの障害も包み隠さず、腹を割って話すシーンは秀逸。
両国にとっては歴史に残る出来事だが、日本のそれからを考えるとちと複雑…。

ビル・マーレイが巧演。
狂言回し的立ち位置のデイジー役のローラ・リニーの好演や、取り巻く女性たちの個性が光る。

秘話として見れば面白い。
でも一本の映画としては少々あっさりして深みに欠けた。

近大