「女性は偉大!」私が愛した大統領 さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
女性は偉大!
アメリカ第32代大統領フランクリン・ルーズベルト(ビル・マーレイ )&その従姉妹デイジー(ローラ・リニー)の、安らぎの一時を描いた作品です。デイジーが亡くなった後、そのベッドの下から日記が出て来たそうです。本作は、それを元にしたお話だそうですよ。
アメリカの歴代大統領の中で、唯一4選したルーズベルト。でも癖のある実母、同性愛者の妻、愛人の秘書に囲まれて、ストレス度の高い生活をおくっています。
そこで妻がルーズベルトにあてがったのが、妙齢の従姉妹デイジーでした。
ルーズベルトはディジーと一緒の時だけ、安らげる。二人でお花畑の道をドライブしたり、微笑ましいデートを続けます。「あの頃のマスコミは寛大だった」というようなナレーションが入りますので、きっとそれ以上の関係だったのでしょう。
そしてイギリスのジョージ6世が、初めて訪米します。ええ、「英国王のスピーチ」のジョージです。
時は第二次世界大戦前夜。イギリスとしては、アメリカの協力を得ないといけない大事な訪米です。妻のエリザベスは馬鹿にされてると怒りだしますが、米英会談はピクニックで「ホットドック」で乾杯すること=プレスの前で、ジョージがホットドックを食べること。
会談は成功するのですが、日本人としてはこの後に起こることを考えれば複雑な思いです。
また確かにルーズベルトは、デイジーの前ではリラックスしているように見えますし、きっと唯一安らげる人だったんだと思います。
だからこそ最後のデイジーのナレーション、「大統領は私のもの」は要らないと思う。
日記にそう書いてあったかどうか知りませんが、それは言っちゃいけないよと思いました。無粋です。
ルーズベルトと言えば偉業の影に負の政策がいくつもありますが、そういった政治家の顔はあまり描かれず。デイジーと過ごす普段のルーズベルトに焦点を当てた、珍しい作品でした。