「ドラマ部分が中途半端」バーニー みんなが愛した殺人者 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ部分が中途半端
テキサス州東部の小さな田舎町カーセージで起きた殺人事件を、事の発端から裁判の結審まで描く。
犯人は町一番の人気者、そして被害者は町一番の嫌われ者。
殺人を起こすバーニーに人気コメディアンのジャック・ブラック。いつもの作品と違いまるで毒っ気がなく、ツルンとした膨よかな顔に天使のような笑みを湛える。
そして、さまざまな輝かしい経歴と実績を持ち、人権活動もするベテラン女優シャーリー・マクレーンを町一番の嫌われ者に仕立てた面白さがこの作品のウリだ。
ところがそうした二人の性格付けや町での評価を、住民へのインタビュー映像で済ませてしまう安直な演出がいただけない。
実録を意識したのは分かるが、裁判の伏線となるテキサス州を5つの地域に分けて解説するパプの老人や、バーニーを庇って「たった4発撃っただけ、5発じゃない」と言い切る女性へのインタビューだけで充分だろう。
この手法をユニークと評価する向きもあるだろうが、せっかく名優を揃えながら、それを使いこなせない分をインタビュー形式で補ったように見えて仕方ない。
裁判の内容も詰めが甘く感じるのは、マシュー・マコノヒーが演じる地方検事の人物像を十分に描き込んでおかなかったからだ。
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