劇場公開日 2013年10月12日

  • 予告編を見る

「橋田壽賀子さんを偲んで」おしん 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5橋田壽賀子さんを偲んで

2021年6月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

萌える

テレビドラマの人気脚本家として長いあいだ第一線で活躍した橋田壽賀子さんが亡くなったのは今年の4月4日
橋田さんはテレビドラマ専用の脚本家で映画の脚本は一度もやったことがないようだ
その橋田さんの代表作といったらやっぱり『おしん』
日本中が涙した
世界中が感動した
日本のテレビドラマの金字塔
リアルタイムでは観たことがなかったが最近BSで再放送がやっていたのでちょくちょく観ていた
そのせいで出勤時間はいつもギリギリだった
おしんといえば少女時代の印象が強いが意外なことに田中裕子が演じた青年期もなかなか面白い
文学座が田中裕子におしんのイメージがつくことを嫌いなるべく再放送を避けるようNHKなどに強くお願いしたせいでもある
そんなわけでおしんといえば小林綾子であり少女時代が国民の記憶に強く焼き付いている
それが影響してアニメもこの作品も少女時代のみにスポットライトを浴びせている

2013年の作品
初鑑賞
おしんの母親といえば泉ピン子で父親といえば伊東四朗でしょ
お笑いの人がシリアスな演技するから良いのであって上戸彩と稲垣吾郎じゃ似合わないよ
当時はそう思って観なかった
あのときの自分は馬鹿だった
あの頃の自分は若かった
上戸彩も稲垣吾郎も良かったよ

橋田壽賀子自身は脚本にはノータッチで原作という立場で脚本は他人が書いている
それでも橋田さんの脚本を踏襲し一本の娯楽映画としてそれなりにうまくまとめている
連ドラに比べたらたしかに駆け足だが比べること自体ナンセンスだ
橋田さんのエッセンスを十分に活かした傑作といえる
隠れた名作

何が1番良いってやっぱり主演の濱田ここね
子役の良し悪しはよくわからない自分でも彼女は天才だとわかる
オーディションで選ばれた新人子役ながら数々の新人賞を獲得しただけはある
彼女の熱演はとても素晴らしい
特に川での「とうちゃん!」には自分でもびっくりするほど号泣してしまった

加代役として子役時代の井頭愛海が出演している
のちに『鬼ガール』の主役として最近映画に久々に出演している
彼女が普通の子役なのだ
彼女が特別下手くそじゃなくて濱田ここねがうますぎるのだ
当時は彼女と比較され悔しい思いをしただろう

材木問屋の奥様役は堀内敬子だと思ったら菜葉菜で全くの別人だった

岩手と宮城の県境に住む自分でも所々山形の方言が聴き取りづらかった

野川新栄