パリ、ただよう花のレビュー・感想・評価
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全てを受け入れる花と全てを与えるマシュ
まるで自分を安売りしている花に一つも共感できないまま映画は中盤までいき、劇場をでてもいいと思った。 だけど花がマシュを友達に紹介し、マシュとリャンビンが言い争いになった場面で、気持ちが急激に引き込まれた。 「あんな男くそくらえ」と言ったリャンビンにビンタを食らわす花、マシュを必死に追いつこうとする花、駅員に止められた花をかばい突然戻ってきたマシュ… すごく感動した、二人の行動に激する愛情が見て取れた。それは自分の将来や他人の目など顧みず、ただ愛する人を護りたい素朴な気持ち。もう二人の出会いの不純さなど気にしなくなった、私が偏見に支配されている間も、花とマシュは本当の愛を生み出していた。 これに続く後半二人の関係は、愛だけでは維持できなくり、やがて花が登場したときと同じような別れが訪れるのは、目に見えたことだった。この悲しい終わりへの最後の抗いとして、花はもう一度マシュとセックスをする、マシュは初めて花にbitchと言うが、それも愛してる故の言葉だろう。 原作は自伝体小説だけあって、描写は決めが細かく、大きな起伏がないまま物語は完結する。婁燁監督はきっとこの"たいしたことのない話"の中に、強烈な愛を見出せたから、映画化に踏み切ったと思う。とても面白かった。もしセックス一辺倒じゃなければ受け入れやすいかもしれない、私はもし映画館で見てなければ最後まで見ることはなかったと思う。
TOKYO映画 8/100
パンドラの箱が開いてしまうようなラブストーリーだ。常に手持ちのカメラワークもドキュメント感を盛り上げ、まるでその現場に居合わせているかのような雰囲気に次第に飲み込まれていく。役者も演じるとかではなく、どこまでが脚本でどこからがアドリブなのか、検討もつかない。初期衝動に満ち溢れたかのように見えるが、非常に計算高い作品だ。
中国人監督作もここまで撮れるか
K'SCinema初めて来ました。番人受けしないマニアックな上映作品ですが、今作はラストタンゴの様な作風が好きな人にはオススメできます。フランス❌中国の醸す色彩感覚と、神代辰巳監督のテイストが掛け合わされ、一種独特の雰囲気があります。しかしいろいろあったとは言え、中国出身の監督でここまで撮れるとなっては、邦画も頑張らなければなりませんね。
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