劇場公開日 2013年9月7日

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「美意識の暴走。」わたしはロランス やさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0美意識の暴走。

2025年6月15日
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鑑賞方法:映画館

心と体のアンバランスに、魂が追いつかなかった二人の愛憎劇。
漫然と美しいとされているモノに大きく自由と上書きする人間の強さと傲慢さ、その自由に押し潰される脆さを見た。

革命の日のウィッグのプレゼント、強制的に聞かされる知らないカップルの惚気話、これは無意識なパートナー像の押し付けに過ぎない。
都合が悪くなればさっさと一人で帰る人間臭い者同士の恋愛ごっこだ。

土曜のランチに店員に八つ当たり、遠回しにパートナーも自分も傷付ける罵詈雑言は、赤をもっと欲していた彼女の、言葉による自傷行為に見えた。2人でどこまでもズタボロになる自信がその瞬間崩壊した様に思える。
やれると思ってたけどダメだったのだ。

コーンポタージュと元パートナーの詩、白に紛れたピンクのレンガ、天から降り注ぐ何色もの布切れ。
現実と夢の狭間での再会、2人にとって最後のスペシャルになっただろう。
しかし華々しく終わってくれないのが人生というもの。
美しい景色に、醜いモノを隠す。私はそれが見えてるのに、見えてないふりをしていないだろうか。

や
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