「耽美」イノセント・ガーデン ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
耽美
パク・チャヌクの耽美な世界観と映像美を目にして、背筋がゾクゾクしてしまいました。過去作よりも、上品でエロティックで韓国の粗雑な感じが抜けていたので、正にハリウッドデビュー作にふさわしい作品だと思いました。
内容はありきたりなサイコなので、ストーリーを楽しむというよりも、「感覚機能を全開に出来る気持ち良さ」に酔える作品ではないでしょうか。
些細な音や目で捉えたものにも敏感に反応してしまう、インディアの繊細な感受性と危うさ。官能的なピアノの旋律と物々しい風景。
狂気の中にある美しさがカットバックやフラッシュバックにより増長されるなんとも甘美的なカメラ。
作品の狙いは、血なまぐささで得るエクスタシーの「絶対的な美しさ」にあると思います。この点は、好みが分かれるところかと。
韓国の映画作家の恐ろしさを堪能できます。
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