劇場公開日 2013年5月31日

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「魅惑的。また観たくなりそう。」イノセント・ガーデン ねことまとさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5魅惑的。また観たくなりそう。

2014年8月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

難しい

萌える

キャッチコピーを見てたら〝若さゆえの衝動〟とかちょいエロなのかと思ってました。

主人公、インディア・ストーカーはすごく気難しい性格で周囲と馴染めない、馴染もうとしない(とくに母親と)よくある思春期の女の子なのかと思っていたけど、違った。

豊かな自然に囲まれた古めかしいお屋敷で迎えた18歳の誕生日、その日に事故死してしまう父親、突然現れた存在を知らされていなかった叔父さん。

そして叔父さんが現れてから起こる不可解な出来事…。

話が進むに連れ、怪しいのは叔父さんだけでなく、主人公の特異さやエピソードがいろいろインパクトに残る。

例えば、美術の時間に静物画を描くときも、インディアだけ花瓶の内側に施された柄を延々と書き続けている…とか、
知らないはずの叔父さんの幼少期と同じ動作とか…、自分にとって都合の悪い存在への加容赦のなさとか…。
エクスタシーを感じるポイントが人と違うこととか…。
普通の女の子と同じところと、違うところの入り混じったところがインディアの魅力!

とにかく映像がきれい。小物からなにから、意味のある意味深さで終始ミステリアス!

キャッチコピーやタイトルで見た目だおしかとなめてかかってました。

数年しても、観た人同士で話が出来る(多分、盛り上がる)鮮烈な一本でした。

…さりげなく映画冒頭に繋がってたりするのがうまい。はじめのモノローグもいい。
最後のインディアの表情とか、超アップで風になびく髪とか…、美しいです。

ニコール・キッドマンやマシュー・グードなど、強烈な俳優さんに囲まれてますが、『アリスインワンダーランド』のアリスよりもぐっと魅力的なミア・ワシコウスカの今後が楽しみです!
見てないものすごくたくさんあるのでそちらも楽しみ。

追記:原題と主人公一家の名字で実は遺伝による家系的な狂気が要因ってわかるのだけど、そこはそれ、変質者の意味のストーカーと勘違いされそうだし、見る前からネタバレになりかねないから邦題は「イノセント・ガーデン」に変えたのかなぁ?と思う。
あとでそう考えたら、あの邦題でよかったのかも。

字幕→一部シーン見直す際に吹き替えにしましたが、坂本真綾さんの吹き替えも秀逸。
エンディング曲も素敵です。

ぞっとするけど目が離せない…。
そんな一本です。

ねことまと