「血の継承と覚醒」イノセント・ガーデン arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
血の継承と覚醒
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殺人者としての血の継承と、
殺人者としての覚醒。
少女と女の狭間で、自らの身体に流れる血に目覚めるインディア。
硬質なミア・ワシコウスカはインディアのイメージにピッタリだ。
謎めいた父親の弟チャールズと夫を亡くした母親が一緒にいるところを複雑な表情で見るインディア。
チャールズとインディアが連弾するシーンの官能。
美しいシーンがたくさんあるのは事実だが、
驚きはない。
脚本のウェントワース・ミラーはブラム・ストーカーとヒッチコックの『疑惑の影』に影響を受けたそうだが、そのまんまのストーリーだ。
チャールズには当初コリン・ファースがキャスティングされていたそうだが、コリン・ファースの方が驚きという意味で良かったかもしれない。
マシュー・グードの胡散臭さは好きだが、この作品の場合、あまりにも最初から怪しすぎる。
主役はあくまでもインディア=ミア・ワシコウスカであるべきなので、母親役ニコール・キッドマンでは大物過ぎたかもしれない。
上手いけれど、あくまで脇に徹する女優をキャスティングしたかった。
パク・チャヌクのハリウッド・デビュー作だが、私がパク・チャヌクに求めるのはもっとドロドロした“怨”の世界だったのかなと思う。
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