「噎せ返るような淫靡で官能的な作品。」イノセント・ガーデン Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
噎せ返るような淫靡で官能的な作品。
非常に良かった。
噎せ返るような淫靡で官能的な映像が流れ、作品に惹き込まれました。
その官能的な画面を担っていたのが役者陣と演出。
まず役者陣。
主役のミア・ワシコウスカのアンバランスさが最高。
現在23歳の彼女がキチンと思春期の不安定な女子に見えてくるから不思議。
序盤は『ガタイの良い、ケツアゴ女かっ!!』と思っていたのですが、物語が進むにつれてドンドンと危ない魅力に溢れていきます。
母親役のニコール・キッドマンも好きでした。
妻であり、母であり、女であり。
これまで縛られてきた一つの側面から解放されることで押さえていた別の側面が現れてくる。
外へと救いを求める彼女が或る光景を目にした際の狼狽。
そして、嫉妬と絶望。
観ていてグッとくるものがありました。
演出も良かったです。
五感が異常に鋭敏なインディアの世界を共有させるために映像が微妙にスローとなり、音が若干大きく間延びして聞こえる。
流れる映像と音に集中し、登場人物の微妙な表情の変化や音がもたらす違和感に惹きつけられます。
アンバランスな魅力。
そしてバランスを崩し、振り切ったが故の魅力。
十二分に楽しめると思います。
オススメです。
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