クロワッサンで朝食をのレビュー・感想・評価
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フランス映画らしい…とも言い難い
ジャケットの写真がとても素敵だったので観てみることに。
スタートからとても暗い。
エストニアのシーンから始まり。
認知症の母とアル中のような(元)旦那。
お世話をしていた母が亡くなり(あまりに微妙な描写すぎて亡くなったのがわからなかった(^_^;))
そのタイミングで、パリ在中のマダムの家に家政婦として来ないかと声がかかる。
依頼主はマダムの遠い過去の愛人、ステファン。
自分が経営するカフェをプレゼントされた義理で今も面倒をみているようだけど、自分では手に負えずアンヌに依頼する。
マダムはステファンにしか心を開いておらず、アンヌを冷たくあしらうが…
次第にマダムとアンヌは打ち解ける。
家を出るのが億劫でただずっと家にいるだけなのに、ブランドの洋服、アクセサリーを身につけてお化粧もして、美意識がかなり高いマダム。
その影響でアンヌも段々とオシャレになっていったと思っていたのだけれど…
ステファンと寝たことがきっかけたのか??
あのセリフはマダムの思い過ごしなのか何だかよく分からない(・・;)
せっかく仲良くなってきた、マダムとアンヌだけれど、エストニア人の古い友人を招いたことでマダムの逆鱗に触れ、またふたりは決別。
エンディングでは戻ってきたかのように思えるけれど…結局よくわからない。
フランスの作品は話しが微妙でも、色遣いや描写がとても綺麗で結果的に「なんか良かったな」と思える作品が多いけれど、これはどうかなぁ〜人には薦めない。
無名なエストニアの監督だからなのか…???
香水の匂いがプンプン、何種類も混ぜるのは悪趣味よ
映画「クロワッサンで朝食を」(イルマル・ラーグ監督)から。
原題は「Une Estonienne a Paris」
直訳は「エストニア人は、パリを持っています」
これが、どう翻訳したら「クロワッサンで朝食を」になるのか、
映画「ティファニーで朝食を」と比較してしまった自分が、
ちょっぴり可笑しかったが、観たくなる邦題だと感心した。
気難しい老女フリーダ役を、大女優・ジャンヌ・モローが演じ、
その存在感は、やはり他を圧倒していた。
何気ないシーンだが、香りに関することはなるほど・・だった。
物語前半、家政婦のアンヌがサンプルの香水を何種類か試し帰宅、
その彼女とすれ違いざまに、サラッと指摘する。
「香水の匂いがプンプン、何種類も混ぜるのは悪趣味よ」。
さらに、ラストシーン。
愛人、ステファンが、フリーダを心配して軽く抱きしめたら、
かすかな残り香から、ステファンとアンヌの関係に気付き、
「アンヌと寝たわね。でもいいの、なぜ行かせたの?」と呟く。
この2つの香りのメモは、単なる金持ちの気難しい女性ではなく、
節々に、心優しい場面を発見し、嬉しくなった。
「本物のクロワッサンは、スーパーじゃなくパン屋で買うのよ。
美味しいクロワッサンと紅茶。朝目覚めるにはこの二つが必要なの」
この表現がフランスらしいなぁ、と思いながらメモを眺めた。
邦画「小さいおうち」でも感じた「家政婦」(女中)の役割って、
私が考えていた以上だなぁ、きっと。
ジャンヌ、なお盛ん。
うわ、J・モローだ!と思った。いやいや、まだまだお元気^^;
ずいぶん歳をとって(現在85歳?)顔も皺くちゃ、なのに女気
だけは猛々しいほど匂い立っている。老いてなお盛ん、とは
こういう時に使う用語なのかな?と思ったほどチャーミング。
私が観てきた彼女はどちらかといえば悪女で、男を翻弄する、
やはり女臭プンプンの今で言う美魔女?な感覚だったのだが、
それが現在もまったく衰えていないところが嬉しい。
口喧しく我儘で多くに嫌われる老女になろうとも、彼女は更に
語気を強めては家政婦をイビリ倒すのだ…もっと凄まじいか、
あるいはコメディか、と思っていたけれど、どちらも外れた。
ただただ寂しい、孤独な老女(家政婦は初老)の交流だった。
どちらかといえば家政婦のアンヌが、私には痛感できた。
いずれ(これから)訪れるかもしれない親の介護や、子供達の
無関心・疎遠、たった一人で母親の介護を担い、飲んだくれの
元夫の行為に耐えて、そこでしか生き甲斐のなかった女性が、
憧れのパリに家政婦としてやってくる。が、相手は捻くれ老女。
またコイツの世話をするのか…と思いながらも、毎晩パリを
徘徊する彼女の、心の拠り所を探す旅のような扱いが面白く、
焼きたてのクロワッサンこそ朝食、という老女の拘りも面白い。
言い方は悪いが(誰にも必要とされない)二人が、誰かに必要と
されることがどれだけ大切か、人生に希望や愉しみを見出して、
不満を歓びに変える生き方をするためにはどうしたらいいのか、
というような部分で、やや老年教訓本のようにも見てとれた。
誰にでも訪れる老い、孤独、病、に対して「お金」は最大限の
必須であっても、「愛」のない生活は耐えられない、というのが
あちらこちらに顕れている。さすが、J・モロー。なおも盛ん。
物語としては普通なのだが、二人の女優の表情や行動を
メインに観察すると、色々見えてきて考えさせられる一本。
(年下の愛人をまだベッドに誘う老女。彼女にしかできない演技)
素敵でハッピーな映画でした
心温まるヒューマンストーリー。
オープニングからトラブル満載のアンヌが、数十年ぶりに解放されてパリに。パリになじめないながらもパリへのあこがれがぬぐえない散歩とウィンドーショッピングのシーンがとても印象的でした。
ジャンヌ・モローの素敵さにもびっくり。いまだに色気と気品を兼ね備えた彼女の雰囲気に圧倒されつつも、自由気ままながらもそれがゆえの孤独を端的に演じきった部分もとてもよかったです。
献身的なアンヌに徐々に心を開きながらも、自分のことしか考えられないフリーダに対して、最後はアンヌがそれでも戻ってくる、そして、「アンヌ、ここはあなたの家なのだから」と招き入れるフリーダの姿を見て思わず涙でした。
僕は男一人で見に行ってしまいましたが、強く、気品を持ち、そして自分の大切な事を持ち続ける二人の女性の姿に感嘆…自分の好きな女性に見てほしい映画と思いました。
ファッションもとてもよかったです。アンヌのカラフルなストールをなびかせたバーバリーのトレンチ姿とホームパーティーのシーンのvカラーのジャケット姿に思わずハッとします。
エッフェル塔もこんなに素敵なんだなっとおもったのは久しぶり(個人的には年に2回はパリにいっているのですが…)アンヌが朝のエッフェル塔でクロワッサンを頬張りながら…のシーンは印象的でした。
パリとジャンヌモローを堪能
ジャンヌモロー=よく知らないけど、とっても怖いマダム・大大女優!!
・・・てことで、パリの景色と怖いもの見たさで入場しました。
私ごとですが、実家の母を亡くしたばかりです。
親孝行とは程遠い冷たいひとり娘をもった私の母は
きっとさみしく死んでいったと思うのですが、
最後の方のアンヌのセリフ、
「私も母が死ぬのを待っていたから」云々には
ドキッとさせられました。
「今を生きる自分自身の人生の充実」の足をひっぱりかねない、
「かつてすごーく頼りにして、世話になっていた人の最期のわがまま」
にどこまで寄り添うべきか、ステファンの振り子のような優しさに共感しました。
ああ、とにかく年とってもオシャレしたい。
おばあちゃんになったらバンバン派手な色着てみたい!
多少やけどしても、記憶を反芻して幸せな気分で老後を過ごせるなら、
若い頃の情熱には蓋をしない方がいいんだなー。
以上、散漫な感想でした。
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