クロワッサンで朝食をのレビュー・感想・評価
全24件中、21~24件目を表示
素敵でハッピーな映画でした
心温まるヒューマンストーリー。
オープニングからトラブル満載のアンヌが、数十年ぶりに解放されてパリに。パリになじめないながらもパリへのあこがれがぬぐえない散歩とウィンドーショッピングのシーンがとても印象的でした。
ジャンヌ・モローの素敵さにもびっくり。いまだに色気と気品を兼ね備えた彼女の雰囲気に圧倒されつつも、自由気ままながらもそれがゆえの孤独を端的に演じきった部分もとてもよかったです。
献身的なアンヌに徐々に心を開きながらも、自分のことしか考えられないフリーダに対して、最後はアンヌがそれでも戻ってくる、そして、「アンヌ、ここはあなたの家なのだから」と招き入れるフリーダの姿を見て思わず涙でした。
僕は男一人で見に行ってしまいましたが、強く、気品を持ち、そして自分の大切な事を持ち続ける二人の女性の姿に感嘆…自分の好きな女性に見てほしい映画と思いました。
ファッションもとてもよかったです。アンヌのカラフルなストールをなびかせたバーバリーのトレンチ姿とホームパーティーのシーンのvカラーのジャケット姿に思わずハッとします。
エッフェル塔もこんなに素敵なんだなっとおもったのは久しぶり(個人的には年に2回はパリにいっているのですが…)アンヌが朝のエッフェル塔でクロワッサンを頬張りながら…のシーンは印象的でした。
パリとジャンヌモローを堪能
ジャンヌモロー=よく知らないけど、とっても怖いマダム・大大女優!!
・・・てことで、パリの景色と怖いもの見たさで入場しました。
私ごとですが、実家の母を亡くしたばかりです。
親孝行とは程遠い冷たいひとり娘をもった私の母は
きっとさみしく死んでいったと思うのですが、
最後の方のアンヌのセリフ、
「私も母が死ぬのを待っていたから」云々には
ドキッとさせられました。
「今を生きる自分自身の人生の充実」の足をひっぱりかねない、
「かつてすごーく頼りにして、世話になっていた人の最期のわがまま」
にどこまで寄り添うべきか、ステファンの振り子のような優しさに共感しました。
ああ、とにかく年とってもオシャレしたい。
おばあちゃんになったらバンバン派手な色着てみたい!
多少やけどしても、記憶を反芻して幸せな気分で老後を過ごせるなら、
若い頃の情熱には蓋をしない方がいいんだなー。
以上、散漫な感想でした。
ジャンヌ・モローってすごい。
久々にこんなに映画館が混んでるの見た。
館内はしっかりされたお歳のお客様がほとんど。
そんな方たちに受けるよな〜、という感じの作品でした。
全編こじゃれています。パリだし、エッフェル塔だし、クロワッサンだし、富豪の女性の優雅な生活見れるし、クロワッサンだし。
それ以上に、ジャンヌ・モロー主演だし!彼女の若かりし頃の作品はほとんど観たことないですが名前だけは知ってる名女優。流石な存在感でした。フランス語分からないけど、わがままな孤独感と、寂しさと煩わしさに揺れる心境をひしひしと感じました。それと家政婦さんのライネマギという人、ほとんど知らないんですけど、すごく可愛いおばさんに見えました。人生に疲れきったはずなのに、パリに来てだんだんキュートに見えてくる。歳重ねると必要とする人、される人が少なくなっていくけど絶対に必要なんだよね〜、と思いました。幸せなラストに満足でした。
家政婦は見た、憧れのパリ、老婦人の光と影
極寒のエストニアからパリに出てきたアンヌは、垢抜けない防寒コートとブーツでキャンバス地の安っぽいカートを引く。長い母親の介護の疲れか表情も暗い。
気難しい老婦人フリーダには簡単に受け入れられないものの、夜な夜な憧れのパリを散策し、ウインドショッピングで気を紛らせていく。エストニア出身の女優、50代半ばのライネ・マギのウインドウのドレスを見つめる目が少女のように輝く。少しずつアンヌの身なりが洗練されていき、顔の肌ツヤも出て綺麗になっていく。なかなか魅力的な女優さんだ。
そんな彼女でも、フリーダの元を飛び出すときは、またあの冴えないカートを引きずらねばならないが、ヒールで颯爽と歩く姿には、同情よりも不釣り合いな絵の面白さに惹かれる。
カフェのステファンを尋ねたあとの含み笑いも意味深だ。語リ過ぎない演出がいい。
この作品、看板女優はもちろんジャンヌ・モローだが、事実上の主役はライネ・マギなのだ。
ジャンヌ・モローと彼女に引けをとらない演技を見せたライネ・マギ。さらに二人の女優の間に髭面のパトリック・ピノーが割って入り、話はシンプルだが作品を味わいあるものに仕上げている。
ヨーロッパ映画は国家間の問題や歴史が尾を引く台詞や話が多く、本作もエストニアの知識があればもっと深く理解できたかもしれない。島国日本では、諸外国の興亡は一般人の常識からかけ離れたものだ。原題をそのまま邦訳して使っても漠然としたものになる。それにしても「クロワッサンで朝食を」は客受けを狙ったのが見え見えで安直過ぎないか。
全24件中、21~24件目を表示