「“普通”の男の現実的な闘い」ワレサ 連帯の男 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
“普通”の男の現実的な闘い
勿論「連帯」のワレサ委員長の名前くらいは知っていたが、彼がその地位に上り詰めるまでどんな経緯があったのかについては、恥ずかしながらほとんど知らなかった。
今作を観てちょっと驚いたのは、レフ・ワレサという人が意外なほど“普通”の男だったことだ。
小さな村の出身で、グダンスク造船所で電気技師として働き、妻と子を養う男。
子どもの世話も妻の家事の手伝いもする普通の男。
「誰も言わないから自分が言う。誰もやらないから自分がやる」
彼の行動原理はいたってシンプルだ。
そういう中で、次第に彼がリーダーになっていったのは何故か?
ひとつは、何度仕事をクビになっても、何度逮捕されても諦めなかったこと。
そして、彼自身が労働者の一人であり、真に労働者の代表だったからだと思う。
「家族にもっといい暮らしをさせたい。」
イデオロギーなんてともかく、労働者の現実的な要求で政府と交渉を続けたからこそ、多くの人の共感を得られたからだと思う。
監督のアンジェイ・ワイダは89歳。
作品はとてもエネルギーに溢れ若々しい!
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