「何よりも一番好きな作品」言の葉の庭 夏蜜柑さんの映画レビュー(感想・評価)
何よりも一番好きな作品
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ふれれば壊れてしまいそうなほど繊細な雪野先生と、
高校生にしては大人びていて周りの同級生とは少し違う空気をまとう孝雄。
大きく言えば恋愛モノですが、
二人の感情があまりに繊細で現実的なため、
恋愛模様というよりは人間の脆さをすごく感じる作品でした。
「人間なんてみんなどっかちょっとずつおかしいんだから」
「そうかな」
「そうよ」
「私ね、うまく歩けなくなっちゃったの、いつの間にか」
「仕事のこと?」
「うん、色々」
この会話のテンポというか、絶妙な距離感が本当に好き。
この少ない言葉にどれだけの思いが詰まってるか。
なにより言葉が丁度いい。言葉のチョイスもそうだし、無駄がなく説明じみてないセリフがとても心地よい。
小説を読むとより一層この会話の重みがわかります。
それに、「言の葉の庭」というタイトル。
これ以上ないですよ。
言葉の響きも内容とのマッチングも。
一晩中語りあかせるくらい、ここには書ききれないくらい、本当に大好きで大切な作品です。
出会うのがもっと後になっていたら人生変わってました。
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