「死者数だけは立派」エンド・オブ・ホワイトハウス 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
死者数だけは立派
「エンドオブホワイトハウス」見ました。
おバカなアメリカピンチ映画ですね。アメリカの黒スーツの人ってこんなにも弱くて、すぐに死ぬんですね。勉強になった。
ジェラルドバトラー&アーロン・エッカートのタッグは加齢臭が漂っていて渋い。彼らの友情からの破綻、そして再生のプロセスも、今までにない斬新なアイディアかと。大統領とSPがあんなに馴れ馴れしく接する姿は真新しかった。
見せ場は何と言っても、ホワイトハウス制圧の場面。とにかく「男たちの挽歌」ばりにド派手。こちらも痺れた。
ただし、これは銃撃戦あるあるですが、アメリカ側の兵隊さん方はバカですよ。北朝鮮がポンポンポンと機関銃をぶっ放してるにも関わらず、その中にハンドガン一丁でその身を投げ出すんですわ。ジェラルドバトラーがやめろ〜やめろ〜と必死の制止をするも虚しく、やはりと言いますかみんな撃ち殺される。こーゆーシーンて本当に多いですよね。ホワイトハウスのガードも明らかに緩いし、なんかその辺りの詰めが甘すぎて全くリアリティーがない。国際指名手配犯が韓国政府にいたなんてのも、ズッコケたくなるような悪趣味ギャグ。その中でもジェラルドバトラーは冷静で優秀。彼が周りのバカ共に振り回されつつ大統領を救い出し、と見せかけメディアの前で大統領を拉致って暴れ回る的にまでフザケてしまえば良かったんだ!これは斬新。
あとは、北朝鮮を悪者に見せたくて仕方がない製作陣の執念。ポンポンポンと遠目からアメリカ陣営をブチのめして、そそくさとホワイトハウス内に駆け込む朝鮮人が、瀕死でのたうち回るアメリカ人の頭を更に打ち抜きますからね。しかも片っ端から。ここまで完璧な制圧に拘るテロリストは映画的には珍しいし、何よりも製作陣の悪意を感じましたね。僕も頭を撃ち抜かれては堪らないので、一つだけ言わせてください。アメリカ万歳!!
同時期公開の「ホワイトハウスダウン」は過去に見ていまして、あちらもあちらで詰めが甘かったですが、あちらのジェイミーフォックス大統領にユーモアがあった分良作といえるでしょう。と言いましても、100点満点中でこちらが1点で、あちらが2点です。