「倍返しする実験。」サイド・エフェクト ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
倍返しする実験。
ソダちゃん祭り第二弾。
あーこれが劇場用最後の監督作品だなんて、ホント勿体ない。
実験映画に長けたソダーバーグ最後の作品に納得至極。
あらすじと流れくらいしか言えないけど、ホントに面白かった。
しかし映画的には面白いけど、実際問題としてかなり怖いお話。
何かというとすぐにカウンセリング、クスリ漬け、という某国の
実態を思い切り皮肉っているのは一目瞭然だが、それで儲ける
英国出身の博士が巻き込まれていく今回の事件とは、果たして…。
注目は、またも出ているチで始まってムで終わるC・テイタム。
と思ってたら、彼にはあっという間に災難が降りかかりました(苦)
主人公・バンクス博士の患者、エミリーの夫マーティンなんですが。
この妻であるエミリーという女性、あの凄い出で立ちで盛り上げた
「ドラゴン・タトゥーの女」リメイク編でリスベット役をやった人ですね。
普通の化粧で見てみると、けっこう地味で。けっこう可愛い。
だけどねー、この人、これからこんな役しかこないんじゃないの?
っていう(日本でいうと二階堂ふみ)のような難怪演技力持ってます。
上映時間106分があっという間。
とくに後半のどんでん返しなどは、どうなるのかお楽しみに。
という感じで、日本でいま流行の「倍返しだ!」っていう台詞が
なんだか今作でも活き活きと感じてしまうタイムリーな作品。
まぁ…災難率としては、バンクス博士がダントツ!なんですけど、
今作の最も怖いところはタイトルにもなっている「副作用」。
最近じゃ、新薬の開発が進み(被験者が必要なので)どんどんそれが
患者に処方されているみたいだけど、新薬って何回も試さないと、
その薬の真の副作用の実態なんて分からないものだと思う。
重症患者には一か八か!の思いで医師も処方するのだろうけれど、
受け容れる患者側の方もしっかり把握していないと、今回のような
恐ろしい「副作用」による事件が起こってしまうかもしれない…!?
そうなれば今度は責任問題。どこに、誰に、一番の責任があるのか。
というわけで、そういうことはしっかり把握しておくんだぞ!
訴えられてからじゃ、遅いんだからな!
というのが、ソダちゃんからのラストメッセージになるのかな。
しかしこの作品は、後半でとてつもない仕掛けを展開させる。
新薬を巡る製薬会社や医師や患者絡みの社会派作品だと思わせて
あら、なんなのこれ!的などんでん返しを後半に持ってくるのだ。
ここがとっても実験的な見せ場^^;
私的にその様変わりする部分の繋ぎが若干しつこく感じたんだけど、
このしつこく嫌な感じがJ・ロウの苦悩を思わせていい感じなのだ。
もう一人の博士シーバートを演じるゼタ姐さん(最近頑張ってるね)
と合わせて、ずーっとビンタ食らってる感じの怒号の後半戦を是非。
風邪薬は効き目で選びたいところだけど、なんだかそれも怖いぞ。
(ソダちゃん処方の今作の副作用はなんだ!もっと観たくなるのか?)