「TPPで医療自由化後の日本でも?」サイド・エフェクト 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
TPPで医療自由化後の日本でも?
奇才スティーヴン・ソダーバーグの作品。新薬に疑われる“副作用”がもたらす、悲劇と疑惑を描いた、社会派サスペンス。50歳になるスティーヴン・ソダーバーグの最後の劇場公開映画になる。
物語の設定上、うつ病が重要なポジションを占めている。日本でも、(劇中のジョナサン・バンクスの言葉に拠れば)イギリスでも、うつ病とは完全に“病気”として扱われている。しかし、アメリカでは必ずしもそうではなく、心療内科・精神科・セラピストに通うことに関して、日英ほど否定的な響きは無い。そんなアメリカだからこそ、成立するストーリーになっている。
一見、薬害もの?と言う感じがするが、実際のところは、犯罪もの。巧妙なトリックが繰り広げられようとします。
R15指定ですが、あぁ、なるほど。そうかもしれません。
エミリー・テイラーが最初に見てもらっていた女医ビクトリア・シーバートをキャサリン・ゼタ=ジョーンズが演じています。怪しい・・・、いや、妖しいです。とっても。登場からしてミステリアスでしたが・・・。
主人公のバンクス医師を演じるジュード・ロウですが、上手いですねえ。ジュード・ロウはイギリス生まれですが、上記にも記したとおり、バンクス医師もイギリス生まれと言う設定のため、敢えて、英語のアクセントはイギリス英語のアクセントを直していなかったらしい。
ルーニー・マーラも、“か弱い”女性を上手く演じています。そのか弱い感じが、物語での重要ポイントになっているかも。
いやぁ、結構重たい話です。映画の中身と直接関係ないですが、アメリカ医療の一端を見た気がします。どんどんクスリを出すとか、保険を気にするとかetc.etc.。TPPで医療分野が自由化されると、医療はこんな風になってしまうんですかね?やだなぁ~。