劇場公開日 2013年9月6日

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「絶対最後迄、目が離せないし、主要人物の芝居が最高でした!」サイド・エフェクト Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0絶対最後迄、目が離せないし、主要人物の芝居が最高でした!

2013年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

知的

この映画「サイド・エフェクト」の意味とは、薬の副作用の事だとか。今日では、病気治療には無くてはならない、薬の存在。
しかし、薬は、効き目も発揮すると同時に、副作用を起こすのも、コイン同様表裏一体だ。
この映画は、その両刃の剣とも言える薬の服薬事故の行方を追う推理サスペンス。
ドンでん返しの連続で決して最後迄目が離せないのだ。

計らずも、今日この映画を観て帰宅しPCを開いたら、今年の4月から6月の3カ月で、統計を取り始めた1984年以来、最多数のエイズ患者発生と言う記事を発見。
HIVに感染した患者でも、エイズの発症を遅らせる薬物が今では有り、多数の患者が、薬の効果で、延命している。
人類にとって、新薬の開発程、ありがたい物は無い。
薬物治療は、現代医学の生んだ大きな恩恵だと思う。何もエイズに限った事では無く、癌も今では、手術ばかりが癌治療の主流では無く、抗がん剤の投与に因っても、病気の改善が診られる。色々な疾病に於いて、薬物治療程大切な存在は無いと、誰でもが信じている。

その盲点を突くように、この映画は、特に鬱病と言う、心の病の問題に迫るから、とっても面白い。と言うより、背中がゾッとする様な恐さがある。
しかも、その鬱病を患ってしまい、新薬服薬の犠牲になるヒロインを「ドラゴン・タトゥーの女」で衝撃的なキャラクターを演じた、ルーニー・マーラーが熱演する。
そして彼女を見守る心優しい夫マーティンには「ホワイトハウスダウン」で不死身のヒーローを体当たりで演じたチャニング・テイタムが当たっている。
そして、彼女に服薬を処方した精神科医をジュード・ロウが迫真の演技でこの作品を魅せている。
その他にも、この映画はキャサリン・ゼタ・ジョーンズも出演するなど。本当に豪華キャストだが、配役のみならず、音楽も良いし、カメラも良かった。
基本サスペンスなので、詳細を記す事が出来ないのが、残念なのだが、決してエキセントリックにストーリー展開する事無く、地味に徹して見せて行くからこそ、余計にこの映画本来のテーマの恐さが浮き彫りに示されていく。
この処3Dなどを駆使して、派手にテンポ良く魅せてくれる作品ばかりが上映中で、本当にこんな地味で静かなだけの作品は、逆に凄いインパクトが有るし、この作品の持つ、心理的な恐さも倍増されるのを感じたのだ。

私はマンマと騙されてしまった口だが、あなたはこのトリックを見破る事が出来るのだろうか?
この映画を最後に、Sソダーバーグ監督は劇場作品を撮らないそうだが、この作品に続いてもっともっとこれからも、面白い作品を多数監督して欲しいものだ。

ryuu topiann