「二つの恋の物語」建築学概論 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
二つの恋の物語
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建築学概論の授業で距離を縮め、
恋に落ちた二人。
十数年後、人妻になっていた彼女が依頼主として彼の前に現れる。
家を建てるという実践の場で、大人になった二人は再び年月という距離を縮めていく。
学生時代の二人は何故離れてしまったのか?
そして、再会した二人は何を感じるのか?
現在と過去を交互に描きながら、二人に何があったのか?二人はどうなるのか?
(現在と過去のスンミンとソヨンを別々の俳優が演じていることで余計に)まるで同時進行で二つのラブ・ストーリーを見ているようだ。
音信不通だったソヨンがわざわざスンミンに家の設計を依頼したということは、彼女の側に彼に会う(会いたい)理由があったことは分かるし、それが未練だということも。
ソヨンの突然の訪問にスンミンの驚きは当然としても、彼が彼女に対してどんな思いを抱いてきたのか、今はどんな思いを抱いているのか、最初のうちは分からない。
しかし、彼の表情は正直。
二人で一緒に過ごしたどんな瞬間も全て覚えているのに、何も覚えていない素振りのスンミン。
昔、「君が好き」の一言が言い出せなくてすれ違ってしまったように、再び、気持ちを確かめられないままなのか?
切ない。とても、切ない。
好きという気持ちだけじゃダメなんだ。
一歩踏み出す勇気とタイミング、
すべてがうまく噛み合わないと、
恋は成就しない。
目新しさはない。
でも、とても丁寧に作られていて好感が持てるラブ・ストーリーだった。
“チェジュ島”、“初雪”。
『イルマーレ』が再見したくなった。
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