茄子 スーツケースの渡り鳥のレビュー・感想・評価
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残酷な旅立ち。この仕事は苦しむ事以外は考えてはいけない
内容は、マルコという超有名選手の自殺を柱に自転車ロードレースのパオパオビール🍺teamにフォーカスした選手達の群像劇。好きな言葉は宇都宮の石仏千手観音を其々の面持ちで見つめ、その態度に対する住職の言葉『観音様がお呼びになったのだろう』物憂げな選手達の思いが空気感から伝わってきそうな所が大人な演出だなと感じました。また『いいケツしてんなぁ!』とお尻を褒めるシーンは自転車乗りにとって最高の励ましの言葉だと自分も自転車に乗るので親近感を感じました。後ろから見てケツが天を臨む姿にオーラを感じた事すらあります。いかんせんバイクレースは日本人には馴染みが薄いのでとっつきにくいかもしれませんが、美しい映像とレースの疲労感は半端なく伝わったと感じます。アニメは流石高坂監督。無類の自転車好きで有名で面白さとストイックさを伝えたかったんだろうなぁ。冒頭のマルコの暗黒への下向きの映像は死をあからさまにイメージしてゾッとしました。死して尚走り続けるんだろうなぁ。ザンコーニの孤独な姿は終始喪中のマルコにフォーカスされていて、バイクレーサーの苦悩と解放感と諦観に飲まれていて憧れのマルコへの追悼の意志の現れで、残酷で逃げる事の許され無い自転車レース世界に自分の苦悩と共傷の結論として一周残し上がったのかもしれないと考えるとマルコの呪いは自転車レース世界の激しさや修行僧感が痛いほど伝わりました。ゴール直前のザンコーニの神にも見える瞬間がとても美しい。残酷なレースからの一時の救いを感じました。絶え間なく修行する姿は神との対話を期待してる様にも感じます。自分も自転車に乗っている時は脳内BGMが流れているのでお経と同じなのかもしれません。正に自転車レースは華やかな世界に見えるが実は内面は、耐え難い修行と限界までの挑戦の苦しさで、それでも勝負の世界に囚われてしまった諦観が大人な映画だなぁ。アニメーション作りの世界にも同じ様なストイックさで完成を目指す姿が表されている様にも感じました。業にまみれた罪な世界です。そんな中でも自分の人生の為に生きたい!そんなメッセージが痛いほど響きました。最後の自転車唱歌は忌野清志郎の歌声は懐かしさと共に自分も歳をとったなぁと感じます。残酷なそれでいて楽しい話です。また自分も自転車乗ってみようと感じました。
【”ロード・レーサーの生き甲斐と、矜持” ロード・バイク好きには堪らない日本で開催される自転車ロードレース・ジャパンカップを舞台にしたロード・レースムービー第2弾】
ー これは、第一作目の「茄子 アンダルシアの夏」のレビューにも書いたが、ロード・レースは題材として映画に向いていると思う。
チームの優勝のために、チーム内で引き立て役になる選手の心持やチーム毎の駆け引きが面白いからである。
F1レースを描いた作品に傑作が多いのと同じ論理である。
■ヴェルタ・ア・エスパーニャの最終日前日に国民的英雄のレーサー・マルコが突然自殺。
ペペのチームメイトであるチョッチはそれをきっかけに、レーサーとしての生活に疑問を感じ始める。そんな中、ペペたちはジャパンカップに参加するため日本の宇都宮へ…。
<前作でも思ったが、ロード・レースシーンの迫力が上手くアニメーションとして表現されている。
それは、ジブリ出身の作画監督、高坂希太郎自身が業界屈指の自転車乗りである故であろう。
それにしても、ライバルチームの優勝候補選手ザンコーニは何故、一周残してレースをリタイヤしたのか・・。ここは、キチンと描いて欲しかったなあ。>
1作目と続編、続けて観ると、演出が粋だな~☆と感じた
ペペがルパン、チョッチが次元に見えた(笑)
ザンコーニはゾーンに入ってタタリ神になった(笑)
それはさておき、サポーターの日本人女性ひかるさん(声は坂本真綾)と
応援してる小さい男の子(ハウルのマルクルみたいな感じ)がかわいい。
そしてチョッチの声(山寺宏一)が存在感光ってる。
茄子のたまり漬けも食べたい
プライム・ビデオにて鑑賞
「アンダルシア」の続編、今度はOVAでのリリースです。
何となくですが、ペペが前作より逞しく活躍してる気がしました。
そして作画が前作より力が入っている印象、人物の表情も豊です。
特にレースパートの比重が高くなっており、よりダイナミックになっているんですね。
前作では協賛の事から見送った「水どう」ディレクターの二人も出演。
しかし本当好きなんですねw
そして今回は茄子のたまり漬け。舞台も日本ですしね。
EDは前作に続いて清志郎、やはり洒落てますね。
それにしても本当気持ち良い作品です。
日本のヒルクライムこわー
人生の、仕事の、指針を失くした男達の話。
人生は同じ所を周回しているようで、その瞬間ごとに違う状況、違う環境、違う思いで生きているんだよなあ。
みたいなことが自転車周回レースで描かれる。
改めて見ると、アクション演出が素晴らしい!自転車も描いてるんだよなー、畏れいるわあ。
エンディングの自転車ショー歌と、飛行機の水曜どうでしょう小ネタも良い。
続編が出ていたとは知らず…
「茄子 アンダルシアの夏」は観てたけど、続編が出ていた事は知らず。ネットで知って慌てて観た。
元ジブリの作画を担当してた高坂監督だけに、前作のキャラデザは「ジブリ感」があったけど、本作のぺぺはほぼルパンだったw
ロードレース描写や駆け引きなど、多分かなりリアルなんだろうなーと思うし、迫力や臨場感もあって面白い。
前作はレースの後半40分の中に、ぺぺのドラマを入れ込む形だったけど、本作はドラマ部分の「フリ」をレースシーンで回収していく作りで、夢を追う幸せと苦悩を選手それぞれのスタンスで描いている。
熱い男たちの物語だった
自転車が好きじゃないと、このリアリティとクオリティと駆け引きは描けなかったと思う。
キャラクターの表情が昔のジブリみたいで良かった。ペペが特に好きだった。
一時間弱だったので敵チームとの関係性が描け切れてないように感じ折角の熱いレースを薄めてる気がして残念だった。
ゴール直前で感情をあまり出さないジョッチが一位への執着と渇望の表情を見せるのが良かった。
あと飛行機での会話が好きだった。
今は苦労、楽するのはその後。
というのは僕も常々思う事。
ただ、何故マルコの自殺という明るいストーリーに暗い影を落とす設定にしたかは理解出来ないところではある。
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