「8月6日にIMAX3Dにて鑑賞。」GODZILLA ゴジラ ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
8月6日にIMAX3Dにて鑑賞。
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前半は意識を保つのに苦労しましたね。退屈な時間が続くことに意図があるのは感じていたけれど、やはり救えない。ドラマは全く深まらないし。普通に編集したら4時間になったそうで、そこからカットしていって『ジョーズ』と同じ124分。カットされた中には芹沢の父親が広島で被爆したエピソードを詳細に語り、第七艦隊提督の父親は逆に投下した当事者だったと語るシーンもあったという。あの止まった時計は相応に饒舌であったと言えなくもないが評価は低い。主人公の姓がブロディだとか、ゴジラが初めて姿を現す時間のこととか、停電と未知との遭遇のこととか、もうニヤリとも出来ない。
ムートーの卵を『エイリアン2』よろしく一網打尽にするくだりもカタルシスなどあるわけもなく。なぜ奴らが再びこの地上で繁殖を始めようとしているのかを考えると、それは人間の自業自得なのであり、とりわけ大国のエゴや欲望が幅を利かせている文脈に沿ったもの。奴らにとってはまさにそれらこそが餌なので、その繁殖が進めば世界の「文明」は退行するだろう。しかしやがては繁殖がとまる。そのときの世界はもっとクリーンなものになっているのではないか。そういう構図が少しも表面化されないままなのでムートーはヘドラ的でもない。
とりあえずゴジラには第七艦隊をむちゃくちゃにしてもらって、それからムートーとの対決、というのがベターだったよね。
リアリティを超越するためのメッセージ性は無かった。それでもゴジラの格闘シーンには胸が躍った。そしてそれだけの作品。
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