「またもハリウッドがB級のGODZILLAを作ってしまった。」GODZILLA ゴジラ kunta21さんの映画レビュー(感想・評価)
またもハリウッドがB級のGODZILLAを作ってしまった。
日本の「ゴジラ」ファンから見たら失望を感じてしまう 「GODZILLA」映画がまたもハリウッドで作られました。
ハリウッドが作った前作のイグアナというかカメレオンというか爬虫類的なGODZILLAと比べれば容姿や形は確かに日本のオリジナルゴジラに似てはいます。 しかしながら 今回の「GODZILLA」はストーリー的に破綻しています。
ゴジラの持つ破壊性や迫力、現代的視点での社会性への投げかけなど日本のゴジラ映画の持つテーマなどを捨て去り 意味の無い人間ドラマを盛り込みながら、その配役 登場人物の係わり合いも中途半端で見所もありません。
GODZILLAが主役なのに アメリカ版のラドンをイメージさせる「ムートー」と名づけられた怪獣ばかりが目立ち 主役であるはずのGODZILLAの登場シーンは10分程度あるかどうか・・・
GODZILLAそのものの迫力もそれほど感じさせず、放射能光線を吐く場面は 取ってつけたような演出で・・・・
チープな家族愛を盛り込み、福島の原発事故や 東日本大震災の大津波をイメージさせる日本との関連付けを見せつけ 日本人としての渡辺謙を登場させるも その役回りは何をさせたいのかも判らず、活躍も何も無く 広島原爆の話題を一言出して関連つける。
ラストシーンではアメリカ映画のお決まりのような 安易な核爆弾の取り扱い。
メガトン級の核が爆発することの恐怖も現実も表現せずに ピカと光らせて、GODZILLAそのものは無傷で、、、、、
はっきり言ってこの GODZILLAは失敗作品です。というか安易なB級作品でしかありません。
ゴジラとはまったく違う題名だけの前作のハリウッド版ゴジラがNYの街を破壊した姿のほうが 本来の日本の「ゴジラ」の破壊性を見せ付けていたように感じてしまいます。
ストーリー、演出、音楽、映像 すべてにおいてみるべき点はありません。
この映画を 現代の中高校生や大学生あたりのこれまで日本の「ゴジラ」作品を見たことも無い人たちが初めて見て 「ゴジラ」を見たと勘違いしたらこれほど不幸なことはありません。
加えて 3Dの吹き替え版などまったく見る価値もありません。
3D映画でGODZILLAの放射能光線が劇場を飛び交うことも無ければ、その迫力で身構えるシーンもありません。 2D版で十分です。