「迫力満点のハリウッド製の怪獣・スペクタル映画」GODZILLA ゴジラ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
迫力満点のハリウッド製の怪獣・スペクタル映画
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米国を巨大生物ムートーによる危機から守るというGODZILLAのストーリー設定や一体一での闘いの強さに、オリジナルキャラクターへの敬意を感じた。
敵役ムートーが空を飛べ、電磁パルス発信し近代兵器の攻撃を寄せ付けないというのも危機が陳腐にならないための秀逸なアイデアか。舞台が東京、ハワイ・ラスベガス、そしてサンフランシスコと動きがあるのも、楽しめる。また、怪獣対決だけに終始せず、核弾頭ミサイルの爆発危機から市民を救う米国軍人のストーリーを、並行させたのは良いアイデアか。
福島原発事故や津波をイメージさせる街が破壊されるCG映像は、迫力満点。原発事故で妻を亡くした父の真相解明への執念の導入から、親子二世代にわたる家族愛を噛ませたのも悪くない。
そして、外からでは効き目弱かった放射熱戦を、ムートーの口内に直接放射するGODZILLAには戦略性を感じるとともに圧倒的な強さも感じさせた。米国民にとって、GODILLAは、文字からのイメージ同様、一神教の神同様の存在ということか?流石にエネルギーを使い果たしたせいか、仮死状態の姿を晒していたのは、早く切り札使えよという声防ぐ意味で、映画の展開として上手い。
全体として、とても良くできた怪獣映画・スペクタル映画なのだが、渡辺謙演ずる芹沢博士の言うこと、自然への畏敬、の位置付けも曖昧で、初代ゴジラの様なメッセージ性は家族愛以外に見当たらず、その点ではかなり寂しく残念に思えた。
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