かぐや姫の物語のレビュー・感想・評価
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2度とこんな作品には出逢えない。
ついに最後の最後まで、観ている観客に追いつかせることはなかった。誰も追いつけなかった。高畑勲が見ていた景色を眺めていられたのは、宮崎駿だけなのかもしれない。
はじめて観たのは公開して間もなく。誰もが思っただろう。「観たことのないものを観た。」と。そして、「もう2度とこんな作品に出逢えることはないだろう。」と。
制作秘話なんてものを聞かずとも、「色んな意味でやべぇ」と思ったが、色々聞くと想像以上にやばかった。すべて手書き。色の付け方も、線の動かし方も、劇画枚数も、制作時間も、すべてがやべぇ。
高畑勲の飽くなきアニメへの想いを具現化した作品。もう2度とこんな作品は現れない。かくいうぼくも、この作品の凄さは全くもって分からない。
泣ける。
映像だけなら満点
かぐや姫の物語
生きるというあまりにも残酷な罰
月は母性のメタファーであるだけでなく"死"の象徴でもあります
月(死の世界)の住人にも関わらず、"生"への憧れを抱いてしまったかぐや姫には、その罪を償うため ある罰を与えられます。
劇中、セリフでは説明していませんが、その罰とは“生きる”ことにほかならないのです。
“生” の世界 そこは恍惚と希望に満ち満ちている。しかし同時に不安と絶望が溢れるのも“生”の世界。
かぐや姫は必死に生きようとします。でも、ある時、ほんの一瞬“死にたい”と思ってしまう。
そして天人達はかぐや姫を許し、“生”から開放する。
彼女にとってどちらの世界が幸福なのか、それは分かりませんが少なくとも、かぐや姫は羽衣を纏うあの瞬間まで “生きよう”とした。これこそがこの映画で一番重要なことなのだと思います。
こころの深くに
涙なしでは観られなく、何度みても号泣してしまう映画。
わたしの心を深く深くえぐって、隠していた悲しみの淵へいつも落ちてしまう。
きれいな映像と歌と、、とにかくわたしの心に静かな平穏と悲しみ、優しさ、家族の温かさを運んできてくれる。
わたしはどこから生まれて、どうしてこの世界に来たのだろう。考えてしまい、不思議な夢をみる。
わたしにも、かぐや姫の哀しみがわかる。本当は大好きな祖父母と一緒にいつまでもいたい。でも、大人になると世間がそれを許さない。
戻りたい大切でかけがえのない場所。
そして、いつかこの世を去るとき、記憶をなくしてしまうのかもしれない。
でも、きっと忘れない。
過去のすべてがいまのすべて
きっと また会える あの日の場所で
終盤の姫が、現代女性にも重なって見えてきました
1回目の鑑賞 2018/5/18 2回目の鑑賞 2023/8/16...
悲劇的な物語
この物語が悲劇となる要因はいくつかある。
第一に翁とかぐや姫の幸せに対する認識の相違である。
翁にとって、あるいは一般には裕福で多くのものを所有して、社会的地位を獲得し安定した生活を送ることが幸せである。翁が望んだことは、かぐや姫が位の高い相手と結婚すること、または自分が官位につくことである。
一方でかぐや姫は野の草花、鳥や虫、獣と共にあって、その中で無邪気に遊び、貧しいながらも愛する者と一緒に生きることを望んだのである。
またこの時代の形式化した貴族の文化が、かぐや姫の自由に生きたいという心を阻害した。
女性に結婚相手を選ぶ自由はなく、そこには、はしゃいで駆け回れる野もなく、大きく口をあけ笑いあえる仲間もいない。
かぐや姫の躍動する生きたいという思いは行き場を失い、自分のことを大切に思えば思うほど、生きたいと思えば思うほど苦みが増す。位の高い者から求婚されれば断れず、形式的決まり事として契りを結ぶ。そのようなことにどうして彼女の心は耐えられたであろう。
最後に月の存在がある。月からの使者がかぐや姫を迎えに来た時に如来の姿があったことから月は、仏が救済した後の世界、もしくは彼岸に至った者たちの世界を表している。かぐや姫は此岸に魅かれた罰として俗世に下されたが、これに付随し月は所有の煩悩を表す金や衣を翁に与えた。つまり富、所有、地位などの煩悩を経験すること、あるいは煩悩を持つ衆生と関わり合いをもつことはかぐや姫に与えられた罰なのである。一切のものは実体を持たず絶えず他からの影響を受け変化し続ける、ゆえに永遠ではないのだからそれに囚われてはならない。
しかしそうだとしても、かぐや姫の翁、媼に対する感謝や愛、俗世で見つけた生きることへの喜び、恋心、これらは今という観点から見れば、そして彼女という一人の人間を主体とするならば確かな実体を伴うものである。今という永遠の中で彼女が彼女であるということは確かなのである。このことから彼女に羽衣をかけ煩悩を記憶を忘れさせるという行為は、彼女を失わせることと同意である。
月とかぐや姫との間で実体と永遠に対する認識の相違があるのである。
かぐや姫はむしろ煩悩からほど遠い、貧しくも、人と自然を、そこに生きる命と日々の生活を愛していけるようなそういう者になりたかったのである。
絵が苦手だけど・・良作品です(・∀・)
正直絵は好みじゃないんですけど、動きが加わると素晴らしく感じます。
赤ちゃんの動きや表情・・かぐや姫が傷つき疾走する躍動感・・
そういうのは、ちょっと見とれてしまうほど。
苦手な絵だな・・って思っていたのに
おじいさんの表情が可愛いなぁって思ったり・・
だんだんと登場人物全員憎めなくなりました(笑)
帝のアゴキャラまでも微笑ましく見ておりましたww
子供向けではないような・・
小学校高学年~が理解出来る内容ではないでしょうか。
捨丸よ・・あんた奥さん居るのに何言ってんだww
って突っ込みそうになったけど、よくよく考えたら
平安時代ですから・・一夫多妻制だったね(;´∀`)
日本最古の物語文学『竹取物語』になるべく忠実に作られてるみたいで、
オリジナルキャラは居るものの・・こういう話だったんだ・・と
童話の『かぐや姫』しか知らない私には、最後まで面白く観れました。
おじいさんとの気持ちのすれ違い
かぐや姫の心の葛藤・・
人生感も考えてしまう。
かぐや姫って神だったのかなぁ・・
古事記に出てくる神話のお話にありそうな気がしました。
ジブリっぽくないけど、これはこれでアリですね。
高畑勲監督の最後の作品になってしましたことが残念です。
心よりお悔やみ申し上げます。
遺言
映画としての完成度は素晴らしいが....
作画や世界観がまるで引き込まれるような素晴らしいものであり、2時間があっという間に過ぎ去った。
しかしながら見終わった後に残るのは前から感じていた原作である竹取物語とは何が言いたかったのかという疑問のみであり、後味の悪さを感じずにはいられない。
かぐや姫には感情移入すればするほど、この世界は理不尽なものであり悲しみに満ちているという印象しか持つことが出来なかった。
月の国の者達は何がしたかったのか?残された父母は悲しみのまま生きねばならず、かぐや姫もいやいや地球を離れ、月で悲しみの元で生きねばならず...
だったら最初からかぐや姫を地球に送るなよ!というか罰として地球に送ったくせして、かぐや姫が助けを求めたからってすぐ飛んで来て、しかも拒否権無しで強引に洗脳して連れ帰るってどうなんだろうか?バットエンドでも何か考えさせられるようなものなら納得は出来るが、ラストに死より理不尽な納得の出来ない別れをするのは本当に理解に苦しむ。あんなラストにするならこんな物語作らず、父母がただかぐや姫に会わず、あの土地に幸せに暮らしたという方が誰もが幸せだろう。
長々と書いてしまったが映画自体は本当に素晴らしいの一言に過ぎる。しかし、後味が悪過ぎるためもう二度と見ることはないだろうと思う。
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