かぐや姫の物語のレビュー・感想・評価
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意思を体感せよ!!!
活き活きと描かれたかぐや姫
本来の竹取物語は第三者の視点で書かれていますが、この映画はタイトルの通りかぐや姫の視点で描かれています。
おじいさんとおばあさんに囲まれ愛され、すくすくと育っていくかぐや姫。
成長と共に自我が芽生え、他の子供たちと同じように笑い、悩み、時には涙して。
登場人物は皆、非常に人間くさく、自然と感情移入することができました。
パワーをもらえるいい映画であると思います。
内容は基本的に竹取物語を沿って作られています。
ほっこりと和む場面もあれば、涙してしまう場面もありました。
淡々と始まり、そろそろ流れに飽きてきてしまう一歩手前で猛烈に盛り上げており、観客に飽きさせない演出力はさすがだと言わずにはいられません。
ジブリといえば宮崎駿さんですが、やはり監督が変われば映像も演出も変わるもの。
ジブリだから、というよりは一つの映画として頭を空っぽにしていったほうが楽しめるかと思います。
あえて余白を残した画面や色数の少なさは淡白のように思えましたが、実際見終わったあとではとてもいい選択肢だと言えます。
動きに合わせてさらさらと動く筆の線は見ていて面白く、描きすぎない表現が想像をさそい、古きよき日本を感じました。
たしかに、小さいお子様には少し難しい内容かもしれません。
複雑な人の心を描いているからです。
試写会でこの映画を拝見しましたが、やはりジブリ、お子様の姿が目立ちました。
終わって会場を眺めてみると涙している子を多々みかけました。
たとえ完全に理解できずとも、何か受け取るものはあるのかもしれませんね。
現代編とか古典の大胆な解釈とか
勝手に期待をしている人は居ませんか?
それは、私です。(でした)
予告編を作ったのは、これも、鈴木Pなんでしょうか?
宮崎監督は、風立ちぬのキャッチコピー『生きねば』に対して
「俺、こんな事言ってないし、映画の中でも言ってない。それが、映画のタイトルより大きくクレジットされているのはどうなんだ(笑」
と言っていました。
本作品でも、『姫の犯した罪と罰』と言うのも、「言う程の罪と罰が、姫にあるの?」と言う感じでした。
大仰過ぎて、ミスリードし過ぎです。
かぐや姫役の方の演技も、そんなに嘆かなくても… と言うシーンでオーバーアクト気味に思い切り嘆くものだから
「この流れで、そんなに悲しむ展開になるの?」と違和感を感じずにはいられませんでした。
予告に使われている、かぐや姫の疾走シーンも夢か現実か判らない(たぶん夢)場面ですし、果たして効果的なのかどうなのか判りません。
文句しか書いてませんが、オカメ顔の世話役の女性だけは救いでした。
彼女がスクリーンに映っていると「どうにかならんのかこの映画」と言う感覚が、その時だけ無くなりましたから。
高畑勲、極めて優秀な方なのは、経歴で判るのですが、『山田くん』の監督だしなぁ。
そして、おそらく最後の作品になるであろう『かぐや姫の物語』。
死に水を取る気で観に行かれては如何でしょうか?
試写会で貰ったチラシに書いていましたが、この作品は、高畑監督が55年前に書かれたプロットで
かぐや姫が地上に落とされた理由との事ですが、この作品には、その前段がありません。
つまり、普通に観ると、私たちの知っている『竹取物語』をそんなに脚色もせずにオーソドックスに表現するだけです。
55年前の若かりし頃の企画が蘇ったワケですが
「そりゃボツになるだろ」
と言うのが素直な感想です。(絵も50年前の東映動画の絵に近いです)
星は、一つで良い感じがしますが、仕事とは言えスタッフがあまりにも気の毒なので二つです。
おつかれさまでした。
宮崎駿への挑戦状
この映画は高畑勲が宮崎駿へ宛てた挑戦状であり同時に感謝状でもある。
東映動画時代から日本アニメーションを引っ張ってきた2人の関係性を考えると実に刺激的な映画であった。
ホルス、ハイジ、マルコ、アン、ナウシカ、ラピュタ、ホタル、トトロ、おもひで、もののけ、山田くん、千尋、ポニョ・・・
まさに日本アニメーションの走馬灯を見るようである。
しかし、高畑勲は過去への追憶だけでは終わらない。
演出とはこうあるべきという信念を貫き、かぐや姫の生き様に新たなアニメーションへの可能性を託している。
日本アニメーションにとって宮崎駿が太陽だったなら高畑勲は月であったのかもしれない。
しかし月には月にしかない美しさというものがある。
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