劇場公開日 2013年11月23日

「御伽噺「竹取物語」」かぐや姫の物語 willstrongさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5御伽噺「竹取物語」

2015年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

和の心を呼び起こす美しい旋律と、目に映る優しい世界に心が締め付けられるような切なくも温かいなんとも説明しがたい気持ちにさせられた。
その気持ちは、「生まれ持った日本人としての脈々と受け継がれた感覚」としか言い表すことができない。

8年の歳月に全霊で取り組んだ名匠の決意と気迫が伺える。
かぐや姫の罪と罰を描いた人生に、複雑な気持ちになり、賛否両論意見が分かれるのも納得できる。
作者不詳で解釈も受け手側に委ねられるものが大きいためでもあると思う。

また、帝や貴族が醜く描かれていたり、月の使者や仏が心の無いものとして描かれているのも、神仏や王、権力といった絶対的な存在へのアンチテーゼなのかと見受けた。

アカデミー賞にノミネートされ、話題になっているが、軽い気持ちで見ると痛い目を見そうな不思議な名作。

作品としては満点だが、心に残る切ないわだかまりを表現するのに半星引かせてもらいました。

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bp