「こんなに時間がたってたんだ」かぐや姫の物語 kiarさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなに時間がたってたんだ
見終わって、2時間20分も立っていたのにびっくりしまった。そのくらい集中してみてしまいました。
月の住人かぐや姫が、現代的な感性を持っていたら…、というコンセプトで『竹取物語』という誰もが知る古典文学を解釈したんですね。観客は現代人ですから、ものすごくかぐや姫に感情移入してしまうんです。
うまく整理はできていないんですが、清濁入り混じる地上の世界で、泣き笑いしながら生きていくことこそが、人に許された無二の価値なのだ、と思いました。でも、清らかな月の住人である彼女が、それにあこがれることは罪であり、その世界を経験させておいて、「自ら望んで」月の世界に帰ることを望んでしまうことが罰なのか、と解釈しました。
事前にCMにも出ていた、桜の木の下の場面ほか絵の素晴らしさは8年間の月日の重みが感じられました。「山田くん」で会社を傾けた甲斐があったのではないでしょうか。
全然関係ないですが、映画館の予告編で『武士の献立』という映画のCMで、すてまる役の高良健吾が出てきて「こうら けんごです」と名乗っているのを聞き、この人は「たから さん」じゃないんだ!と一番の衝撃を受けました。
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