「生きるというあまりにも残酷な罰」かぐや姫の物語 須賀さんの映画レビュー(感想・評価)
生きるというあまりにも残酷な罰
月は母性のメタファーであるだけでなく"死"の象徴でもあります
月(死の世界)の住人にも関わらず、"生"への憧れを抱いてしまったかぐや姫には、その罪を償うため ある罰を与えられます。
劇中、セリフでは説明していませんが、その罰とは“生きる”ことにほかならないのです。
“生” の世界 そこは恍惚と希望に満ち満ちている。しかし同時に不安と絶望が溢れるのも“生”の世界。
かぐや姫は必死に生きようとします。でも、ある時、ほんの一瞬“死にたい”と思ってしまう。
そして天人達はかぐや姫を許し、“生”から開放する。
彼女にとってどちらの世界が幸福なのか、それは分かりませんが少なくとも、かぐや姫は羽衣を纏うあの瞬間まで “生きよう”とした。これこそがこの映画で一番重要なことなのだと思います。
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