風立ちぬのレビュー・感想・評価
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あなたには今、風が吹いていますか?
人にはそれぞれ、風が吹いている。
そして、その風が止んだ時
その人のいきいきとした人生の息吹は静かに引いていくのであろう。
その風が吹いている間、人はまたつらくとも前に進んでいかなければならない。
その結果、自分の意図するものとは違った予期せぬ事象を生み出したとしても.....
それが、生きると言うことなんじゃあないか。
この物語は、真に才能を持って生まれ、周りの理解者に恵まれ、小さい頃からの夢を大切に育て上げた世界屈指の技術者たる天才堀越二郎、その主人公の生き様を主題とした、透明感溢れる精緻な協奏曲だ。
緩やかな時間表現の場面でもその豊かな芸術性はいささかも失われずに、凛とした高貴さと共に胸の奥にしみこんでくる。
動きのある場面はジブリの表現力面目躍如たるところ。
細かい場面解説、解読、説明は他の方に譲る。
鹿野氏の主人公の声について様々な議論を呼んでいるようだが、私は見事と賛辞を送りたい。
他の方々(声優、俳優の方々)とまったく異質な存在感を持たせたことにより、この作品が単なる娯楽映画ではなく芸術にまでに昇華した。
誤解を恐れずに敢えて言えば、私に東京物語の笠智衆の口下手なまっすぐさを備えた存在感溢れる声を想起させた。
あと、子供向きではないというご意見もあるが、子供に理解できるものだけを与える教育もあるかもしれない。
しかし、時にはとても理解しきれないものを与えてみるのもよいのではないかと思う。子供は意外とそれなりに理解しようとするのではないだろうか。
藤原正彦氏は、その著書”国家の品格”の中で、天才は美しいものに囲まれて育つと言うような意味のことをおっしゃられていたと記憶する。
私はこれほど美しい精緻なアニメを見たことがない。
それだけでも、子供に見せる価値はある。
自分の理解できそうも無いものをはじめから拒絶するような未来の無い子供には親としてなって欲しくは無いだろう。
そして、一場面でもその子供の記憶に残れば、人生の大切な基礎の一部になるやもしれん。
蛇足ながら、私が幼い頃に連れて行かれて、背景も内容も解からずに見た”アンネの日記”。
いまだに、あの少女の目が記憶の片隅に残っている。
主人公が喋るたび脱力
映像はジブリの真骨頂とでもいうのでしょうか、とても美しかったです。
飛行機、草原、地震、戦争、人々。
鮮やかな画でした。
ストーリー自体は淡々と堀越氏の半生を追っている感じなのですが、映像が(夢の描写など)ドラマティックさも与えていると思います。
ただ、主人公が喋るたびに脱力してしまうのです。
それはもう最初から最後まで。
画やお話に心を奪われかけた時に主人公の声を聴いて白けた気持ちに戻される。
物凄くイライラしました。
元々声優に関しては色々と言われていましたが、実際観るまでは何も言うまいと思っていました。
そして、観て、思いました。
最悪だ、と。
プロの声優の大袈裟な演技が嫌だと監督は言っていたようですが、「大袈裟な演技」の反対があんな「棒読み」だとは思いませんでした。
あれを良しとした監督と、監督を止められなかった周りにがっかりしました。
一体主人公は何歳なのでしょうか。
庵野さんは50歳をこえています。
演技は素人な上50歳の声しか出せません。
それはもう初め(少年時代はのぞく)から、50歳の主人公の半生を追っていくのです。
50歳の学生、50歳の新入社員、50歳の恋愛。そこに感情はあるのかという棒読み。
画はあんなに若く瑞々しいのに。
声、音はアニメにおいても重要な位置づけにあるべきものだと思っています。
無声ものならいざしらず、そこに音がある以上声優に関してもちゃんと考えてほしかったです。
楽屋で受けてりゃいいのかい。
全く残念です。
詩のような映画
詩のような映画
【何故、主人公の声が庵野監督なのか】
この映画は、堀越二郎という実在の人物の自伝を元にしたフィクションですが
七試艦戦や九試単戦なども出てきますから、あくまでもリアルな人物
そして、そのほかの人物は、二郎の回顧録の中の登場人物という違いがあるのでは無いでしょうか。
だから、二郎には芝居がかって欲しくなく、あくまでも、個人の回顧録のような感覚で見て欲しかったのでは無いでしょうか?
そして、物語も、二郎の夢の中と、現実が、なんの前触れもなく切り替わります。
見る方も、ここは夢?現実?ついて行くのが大変です。
その結果、冒険活劇でもなく、ファンタジーでもなく、一連の詩のような回顧録の様な映画にしたかったのではないでしょうか?
だから、ラピュタのようなワクワクする盛り上がりもないし、トトロのようなかわいさもないです。
この映画は、二郎や菜穂子の気持ちに寄り添って、その立場に立ってみると味わいが解る気がします。
不治の病に冒された菜穂子、その病と自らの夢とその結果に呆然とする二郎
そこで物語は終わります
【何が言いたいのか解らないと思った人は】
この映画が見えてないと思う
本来、文学や詩など、具体的に何か強いメッセージなどはあるわけではなく
それらは宿題のように、自分で答えを出すモノです。
映画を見た後に見て欲しいという紙を開いたときに
そういう映画なんだと確信しました。
テレビで宮崎アニメはずっと見てきましたが
初めて劇場で見ました。
ラピュタやトトロ等も良かったけれど
このお年になっても新しい表現方法にアプローチする宮崎監督は凄いですね。
【庵野監督に声を頼んだもう一つの理由】
庵野監督と言えば、エヴァの監督、そして彼や彼の世代
庵野監督のアニメを見る世代、すべての若い人に、零戦にあこがれる人たちに
堀越二郎の気持ちになって欲しかったんじゃないかなぁー
【おまけ】
映画の一場面で
ラピュタの登場人物
ドーラとじっちゃんが出てきます
笑っちゃいました
【自分はどう見たか】
これは、日本人とは、本来どういう物なのか?
と言うことを伝えたかったのではないでしょうか
二郎が子供の時の田舎の美しい風景
そして、起こる関東大震災
そこで出会う主人公とヒロイン
やがて主人公は就職し飛行機の設計士として働きますが
海外に行ったり、そこで堂々とした振る舞いをします
その後、日本の避暑地、多分、長野、軽井沢のように見えましたが
そこで、外国人と歌を歌ったり、
ヒロインが病を押して主人公の元に来たとき
格式張ったしきたりをちゃんとやってみたり
日本人って、こうだよな
と言う感じが伝わってきました
海外の人に受け入れられたら嬉しいです
あと、出てきた軍人の目の焦点が定まってなかった(^0^;)
「君は何者だ?」
「日本の少年です!」
これですよ、日本人を伝えたかったんだよ
自立の時
多分高校生の自分が見ていたら、不満タラタラでした。
風の谷のナウシカを小学生の時に見て、内容の半分も理解してないのに面白かったと思わせてくれた優しい宮崎監督作品ではないです。
あれから20年以上経過して、細かい映像による心理描写を読み取る力が、言葉の細かいやり取りから感じ取る力がついた今だから、これは過去最高傑作と言えるのだと思います。
単純だけど、いままでと変わらないメッセージを、監督が咀嚼して私たちに与えてくれるのではなく、私たちが自分で噛み砕きすり潰して体に入れる。面倒くさいけど、だからこそ本当の美味しさを感じることが出来たのだろうと思います。
是非子供たちに見てもらい、今の自分たちの感じたこと、10年あとに感じること、20年、、という長いスパンで見るに耐える作品でした。
※平成狸合戦は内容は良いが子供に分かりやすくしようとしている、迎合というか、甘やかしが苦手で、また見たいとは思えない、深くて浅い作品だと思っています。それとは圧倒的に差がある深みのある作品でした。
受け手の「人生経験」を問われそう……
私の場合、普段から映画選びがかなり偏っています。
基本、好きな俳優さんが出演されているものを観ています。
……なので、この作品もその方の声を聴きに行ったようなもので、ジブリアニメだからだとか、宮崎監督の作品だからという概念はありません。もちろん、主人公のモデルとなった方への前知識もありません。宣伝番組も全く観ずに行きました。
その上で、映画館に足を運び、観て好かったと思う作品でした。
賛否両論あるでしょうし、確かに「すべての」子供にとって面白いかどうかは別。理解出来ない人も多いでしょう。大人だって、理解出来ない人もいる。
ですが、むしろ、そうあるべき作品だと思いました。
恐らく、時代背景だけで、拒否反応を示す人もいるでしょう。でも、そういう「形骸」から解き放たれて、真直ぐに登場人物を見つめることが出来れば、奥底に走る、凛としたものが感じられるのでは……と思います。(それでもなお、一部の方だけでしょうが)
結句、己の想像力と人生経験の豊かさに左右される作品だと思います。
子供だとか大人だとか、男女の違いは関係無い。
子供でも「何か」を感じるコもいれば、ご年配の方でも何も感じない人もいるでしょう。これだけメッセージ性の強い作品なら、特に。解からない人には、何をどう説明しても無駄。感性の器の大きさは人それぞれ。
素直に、楽しめて、考えられて、好かったです。
明日の午後、また観に行きます。
風立ちぬ
公開日に観に行きました。
零戦の設計者と文学者を元にしたフィクションとノンフィクションが混ざったお話ですが、はっきり言って子供向きではないです。
なので、子供連れで鑑賞に来ていた人達はガッカリしたのではないでしょうか。
内容も予備知識がないと少々難しい気がします。
でも、やはり映像は美しいですね。荒井由美の『ひこうき雲』も良かったです。
庵野監督の台詞は棒読みでいただけませんが。
全体を通して…面白くないと言ってしまえばそれまでで、ユーザーレビューに左右されず一度観に行って自分の評価をつけてみてはいかがでしょうか?
自分は前もって予備知識を入れて観に行けば、もう少し楽しめたのかなぁと思いました。
喫煙シーン多すぎ R18にすべし
喫煙シーンが多すぎ。
病人の前で吸うの推奨しているようだ
おとな向けと言っているが、結局、子供も多く来ている。映倫はエロとバイオレンスしかチェックしていないのか?
駿は子供にそんなに「喫煙を文化にするつもりなのか」。それは絶対認めないよ。
単なる自己都合の我流文化論に過ぎない
爺の戯言
監督のマスタベーションを
金を払って
半永久的にみせられた
でその利用道具は通販で売っている○○ではなく
カップラーメンのふやけたやつが「いいん」だと・・・(声優の事だよ)
・・・・・・苦痛以外のなにものでもない…
なかには「秀作」とまで豪語する人までいる
映画の良さもわからん、現代人には呆れるね。
この十年のジブリ作品で一番良い、が・・
途中まで、これはひょっとしたら、宮崎駿の最高傑作の一つになるのでは、と思いながら見ていた。子供やライトファンにアピールせず、やりたい事をやってる前半から中盤までの映画的な物語の流れは素晴らしい。
関東大震災や戦前の描写は、ジブリのアニメーションでも一つの到達点になるような出来栄え。そして物語の主軸として、主人公と技術屋達のプロジェクトX的、仕事への熱い情熱が生き生きと描かれている。主人公が夢中で仕事に打ち込む姿は技術屋的、オタク的な人の持つ魅力で溢れている。
主人公に抜擢された庵野秀明の声も心配していたが、明晰で逡巡のない、周りの眼を気にしないぼくとつな主人公のキャラクターと声がマッチしていた。
こういった素晴らしい部分が数多くあるにもかかわらず、この作品は同様に大きなマイナス面も多々ある。正面からオタク的男性の魅力が描かれている一方、ジブリ史上で一番女性が魅力的でないのだ。それにしても、今まであれだけ女性キャラクターを生き生きと描いてきた人が何故?
恐らくは、男女の恋愛のプロセスを描くという事に関して宮崎駿は今までやって来なかったのでは?(まさか、お互いに大好きだと言って、キスをしょっちゅうしてる描写を入れれば恋愛だろうみたいなことなんですか、宮崎さん?それこそオタク的中二病の発想・・。)
最初の一時間を主人公の物語に割いているのと、病人の女性という受身のキャラクターゆえ仕方の無いことなのかもだが、彼女の描写がとにかく不十分だ。単なる記号的な、都合の良い清純な女の子像になってしまっている。
二人が惹かれあうのが、きっかけしか描けていない。彼女がどんな女性なのかということがわからなければ、主人公が彼女に惹かれていく理由が観客にもわからない。二人の恋愛に感情移入できないので、観客は置いてけぼりである。彼女が魅力的な人だという事が伝わらなければ、その人がいなくなる悲しみも半減してしまう。
また、エンディングが最近の宮崎駿作品同様、カタルシスを与えない演出なのは別にかまわないが、省略し過ぎだろう。彼女の死、敗戦をファンタジーの世界で見せててしまって、現実として一切見せないのはどうなのだろう?この作品のメッセージが、「仕事に生きること」や「生きぬくこと」なのなら、夢のシーンをエンディングに使うにしても、もう少しその後の現実の出来事を見せてからの方が効果的だったと思う。
彼女が亡くなり、そして、自分の作った飛行機が結局多くの人を殺す道具になり、日本は敗戦する。そんなどん底の状況でも主人公が仕事を通して救われる、それでも生きていくのだというところまで現実の描写として見せて、夢の中でやっと彼女に再会する。そこで初めて彼女に対して「ありがとう」や「生きていきます」という言葉を伝えれば、もっと自然に観客の感動、共感につながるのではないか?
結局、この作品の魅力は宮崎駿の歴史や飛行機、機械に対するオタク的情熱であり、恋愛ドラマ描写の稚拙さもまたオタク的ステレオタイプな描写がゆえという、監督の持っている特性が吉と凶の両方に出てしまっている作品だなと思う。
苦手ならば、恋愛の部分のストーリーを捨てて、普通に伝記的な物語部分を語るだけでも魅力的な作品は作れたはずだ。近年の彼の作品で一番素晴らしい内容を持つ作品だっただけに、余計に残念だ。(あ、ついでに今思い出したが、ジブリの作品で久石譲の音楽がこんなにも耳に残らない事ってあるんだろうか・・。)
最後に、もう一つ。この作品に対して、「子供にはわからない。」という批判があるようだが、これには本当に驚かされる。
堀越二郎の伝記って予告で言ってるよね・・?予告は見てないけど、ジブリだから子供向けだと思った?じゃあ、「おもひでぽろぽろ」や「火垂るの墓」はどうなんのよ?あれって子供むけに作られてると思う?少なくとも幼児が見る映画じゃないでしょう。
日本てアニメ大国だと思ってたけど、世間の認識ってそんなもんなのか・・。いや、確かに本人は「風立ちぬ」以前はずっと子供に向けて映画作ってきたって言ってますよ。でも、宮崎駿は数々の国際映画祭で最高賞、栄誉賞を獲得し、アニメーションという表現を世界に実写同等の映画表現、芸術表現として改めて広く知らしめた作家でもある。
実写映画を見に行って、「子供にはわからない」と不満を持つ人はいない。見る前に一応子供でも見れる内容か実写なら確かめるでしょう。「内容は知らないけど、アニメだったら子供向けだろう」→つまり、アニメーションって未だに芸術表現として実写作品と比較してなめられてるんだなーと、思わざるをえない。
ジブリで久々のヒット作だと思います
賛否両論があるけど、個人的にはジブリで久々のヒット作でした。
物語自体はすごくベタかもしれない。ジブリっぽくないといえばない。
けど、素朴で、純粋で、一生懸命で、真っ直ぐな主人公2人の生き様に心打たれた。
複雑な現代社会に生きる我々にとって、シンプルになにかを追いかける事の潔さとか美しさが、心に響く映画だった。色々考えさせられる映画だった。
恋愛映画としてもベタだけど面白い。ベタだから展開はある程度分かってしまう。けど、やっぱりウルッとくる。女性は泣いてる人多かったよ。
すっごく面白かった。
暗喩部分を自らが汲み取らないと真価を見出だせないアニメ
ジブリは、子どもが見ても楽しめ、かといって大人向けではないというわけではない。
その絶妙なバランスがジブリの魅力であると思います。
ただ、すべての作品がそうとは限りません。
もののけ姫や、火垂の墓など、
テーマそのものが重い内容のものもあります。
今回の風立ちぬは、まさにこれらと同じような部類になるでしょう。
まず、この作品を評価するにあたり、
・宮崎氏の作品だから
・ジブリだから
という先入観は捨てるべきと思います。
他のレビューで5点満点をつけられている方々がいます。
それらの方に問いたいです。
これが、宮崎氏ではなく、別の無名の集団が作って公開したとしたら、
本当に「5点」をつけますか?
逆に1点をつけられた方に問いたいです。
これがジブリ作品ではなく、あなたが最も注目する監督や、
アニメーション集団がこれを作ったとしたら、本当に「1点」をつけますか?
さて、話を内容に移します。
まず視聴対象ですが、日本語がそこそこ理解できれば、
別に大人でなくてもいいと思います。
難解な表現や言い回しを多用しているわけではないので、
別に小学生が見ても理解できないわけではないと思います。
ただ、描かれている「間」や「行間」を読み取れるかどうか、
暗喩されるメッセージをくみ取れるかどうか、だと思います。
トトロとか魔女の宅急便は、映画を見ながら行間を読まずとも、
キャラクターのセリフであったり、BGMが誘引するかたちで
視聴者の脳に伝えたいメッセージを自然と送り込みます。
ところが、本作については、それを自分でくみ取りに行かないといけません。
ぼけっと見る、あるいは、「目に見える部分、動いて見える部分」と「セリフ」
を、そっくりそのまま脳に伝達したとしても、
「へぇ、なるほど。意味やストーリーは理解した。それで?」と、その後が続きません。
賛否の声が両極端になるのはこのためだと思います。
「見た。内容は理解した。何とも感じない。0点」
これはアニメではなく、一般の書籍に近い感想なのではないでしょうか。
つまり、本作はアニメであるにも関わらず、アニメにしている意味そのものが問われる、ということです。
逆に、びっくりするくらい高い評価をしている人もいます。
そういった評価をする人は、ただ漠然と本作を見ていたのではなく、
キャラの動作やセリフ、感情、間、を自らくみ取りに行った上で、
「このときの彼の気持ちはこうなんだろうな」とか
「実際にはそう言ってるけど実は・・・」とか、
単純にアニメとして描写されているものの裏をきちんと読んで見た人なんだと思います。
ところが、残念なことに、映像作品はいかに自然体で脳内に
メッセージ性を効率よく伝達させるか否かで評価がされてしまいます。
今回、視聴者自らがメッセージ性をくみ取りに行かないと真価が見えてこないという点については
大きな失敗だったと思います。
以上が大きな内容となります。
あとは細かいところを書いていきます。
・起伏が少ない
→終始アクセントがない映画でした。これじゃ、眠くなる作品と言われてもしょうがないです。
・突然の描写チェンジに注意
→画面のフェードアウトも何もなしに、いきなりシチュエーションが変わります。
話をきちんと聞いていればすぐに分かりますが、混乱するという意見が多いのはこのためかと。
・意外だったキスの嵐
→家族でまじまじと見るとちょっと気まずいか
・非リアル(いつもの感じ)
→昨今のアニメ製作会社のリアル描写や細部の描写を見てしまうと、
ジブリ作品は画のつくりや書き込み度合は横ばいだなと感じざるを得ません。
手書きのよさが・・・・という意見もあると思いますが、そう感じられればそれはそれで幸せなことです。
才能をたたえる映画
ゼロ戦の開発者である堀越次郎の才能をたたえるための映画だった。彼が一点の曇りもない好青年として描かれていた。勇気あって親切で才能にあふれていて、ルックスがよくて姿勢が正しく胸板が厚くて、育ちもよく、美人の彼女もいてコミュ症でもない、常にキリっとしていて非の打ちどころが皆無の鼻もちならない人物!
彼女はかなり瀕死の病弱だとは言え弱音は全くはかないし、血色がいい顔のままの美女、正直うらやましいばっかりだ。
物語はあんまり盛り上がらず、感想としては普通だった。4分間の予告が素晴らしかったため、ユーミンの『ひこうき雲』で泣く準備をしていたのに、掛かったのは物語が全部終わった後だった。ゼロ戦のテスト飛行で掛かって、それと奥さんが山で死ぬ場面がクロスオーバーしたらどれくらい泣けたか分からない。しかしそれではあまりにあざといとか臭いからと言って避けたのかもしれない。
だったら、そんな難病ものを題材になんかしなければいいのにと思った。戦闘機開発と恋愛があんまり噛みあっていない印象があった。
物議をかもした庵野監督を声優として起用したのは、声がモサモサしていて絵にあんまり合っていなかったように思った。もっとモサい印象の絵だったら合っていたんじゃないかな。しかしこれでキリっとした声ならますます鼻もちならなくなりそうだから、いいバランスだったのかもしれない。
淡々として、しかし壮大である
少なくとも子供向けではありませんね。なので小さいお子さん連れの方はモンスターズユニバーシティとかのほうが良いでしょう。
内容について。全体としては特にぱっとせず、劇的な展開などはあまりありません。終わった時は、え?もう終わりなの?と思ってしまうほど物足りない感があります。そこは視聴者の想像に任せるところなのかは分かりませんが、もう少し厚みのあるストーリーがほしかったです。
しかし、音、背景、アニメーションなど、細部へのこだわりはやはりジブリだなと思いました。非常に良かったです。特に設計図を書いてるところなんかは神がかっていました。
あと、この作品は男性には結構受けると思います。男たちのものづくりにかけた情熱がかなり印象に残るので、理系の人や、ものづくりが好きな人などは好きになる人が多いでしょう。主人公も、まじめで、勇敢で、ユーモアのある好青年ですのでやはり男性受けはいいでしょう。個人的にはアシタカさんの次くらいに好きです。庵野さんの声は意外といい感じでした。ああいう落ち着いた感じの声は今作の主人公にはかなり合っているとおもいます。
恋愛パートはイマイチでした。もっと時間を割ければよかったのですが、話がトントンと進みすぎて、全然感情移入ができなかったです。
まとめると、プロジェクトXにおまけ恋愛パートを追加した感じです。
数年後にまた見てみたい
観てきました!!
最初に言っておきますがトトロやラピュタなど過去の作品を大好きな方、ファンタジーを期待していた方は観ない方が良いと思います。
時代背景も難しいですしお子様を連れて行くとお考えになられている方は一人で行くかDVDを待ってゆっくり観るのをオススメします。
率直な意見を言いますと、物足りなさを感じます。
アニメのキャラクターとは違って実際に生きた人物を元に作られた作品だからこそ想像がしにくいなとも感じました。もっとお勉強をして行きたかったな・・・
今の時代、当時のお話を聞ける機会も少なくなってきたので、火垂るの墓とはまた違った題材のアニメで今に伝えるというのもひとつの手だと思います。
観終わった後は素直に涙が止まりませんでした。
もう少し大人になり、いつか守るべきモノができた時にまた観てみようと思う映画でした。
宮崎作品にこういうアニメが一本あってもいいのではないでしょうか!!!
「天才の人生」をのぞき観る映画
この映画は、才能に命かけ生きた(傍目には極めて淡々と)天才の人生を、やはり天才である宮崎駿監督が、説明しすぎず、あえて不親切に「自分の視界」と重ね合わせながら、そのままに描いた作品だと感じました。
登場する天才たちは、ある意味ですごく子供。堀越二郎が思いつきで貧しい子供にお菓子をあげようとして反発されるシーンに始まり、愛する人が心配になれば仕事を放り出して駆けつけたりしてしまう。
イタリアの設計士・カプローニは、自分が手がけた飛行機がテイクオフに失敗すると、その様子を撮影するのを力づくでやめさせます。フィルムを引っぱり出しカメラを湖に投げ入れてしまう。
二郎は理想を追ってつくった飛行機の設計に一度失敗し、墜落させてしまういますが、それが挫折(これもまた淡々とですが)として描かれます。でも、失敗を犯しても上司の信頼は失っていない。
普通の人間、もしくは一般的には秀才と呼ばれるような人間からすれば、あれは挫折のうちに入りません。次のチャンスに備え上司の期待に応えられるよう努力をすればいいだけのことです。
でも、天才たちは、自分のつくりたいものがつくれなければすぐに傷つく。それはもう挫折なのでしょう。どんなに応援してくれる人がいても、素晴らしいと言ってくれる人がいても、当時の日本の工業レベルの低さという言い訳できる環境も関係ない。普通の人にとっては慰めになるようなことも、天才にとってはなんの意味も持たない。
宮崎監督は庵野秀明さんを「現代で一番傷つきながら生きている」と評しましたが、その心情を乗せて欲しかったのでは? と感じました。
後半、二郎はそのスタンスを恋愛にも持ち込みます。奈穂子との関係も飛行機同様に“美しさ”を優先します。
二人があまりに淡々としているので、受け入れてしまいますが、普通の価値観を持っていれば美しい生活よりも菜穂子の体調を最優先すべきでしょう。でもそうはしない。二郎は結核を患った奈穂子の隣りで、手をつなぎ、タバコを吸いながら作業を続けます。まるで子供です。
この構図は、美しさを追い求めるがゆえに、人を殺す兵器である戦闘機をつくってしまった二郎の人生とも重なっていると思います。
ただ、公式ウェブで公開されている企画書では
「この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない」
とあります。でも実際の作品は、この部分のニュートラルさが少し欠けていたかなとも感じます。「二郎は戦争は嫌で、ただ美しい飛行機がつくりたかったのだ」と理解されてもおかしくない。
物語の中で零戦にあまり触れなかったこと。零戦の脅威によって、日本の飛行機開発がGHQによって10年にわたって禁止され、その結果二郎が飛行機の設計に携わる機会を失う“本当の挫折”が描かれなかったあたりは、親族の方に配慮したのかもしれません。
本当の挫折が描かれれば「天才の人生」と「普通の人の人生」がブリッジされ、また違ったテーマを持ったとも思いますが、本当の挫折を味わうことなく72歳まで天才として生きてきた宮崎監督が描くべきものではないと判断してもおかしくなさそうです。
普通の人生を歩む人に共感は難しいのでは? 作品を観て自分に残った感情は、自分には決してできない「天才たちの送った美しい人生に対する憧憬」でした。
宮崎監督の映画は、いつも「割り切れない部分」があり、今回もそれは存在します。ただ、これまではそうしたものが作品の中心に、誰もが無視できない状態で置かれていたような気がします。今回は端的に「泣ける話」だとミスリードも可能な構造になっているのは気になりました。宮崎監督が自ら涙を流したことを好んで宣伝に用いていることも含めてですが。この点については「美しくない」と思いました。
昭和初期の人々を映す記録映画
これだけのスタッフを使い この素晴らしい技術を発揮して作らなければ
ならない話だろうか 映画を見てエンターティメント性は少しも感じない
ただ淡々と進むストーリィに眠気も忘れるくらいの見事なアニメーションがついてくる 話は記録映画並みだがアニメは100点でした
話題作りの為の庵野さんの声優起用はプロデュース的には良かったかも
しれんが内容は映画の質を落としただけと感じた
大人の映画。激動の時代に生きた男のロマン。
少なくとも戦前の歴史を知った人向けの映画です。時代背景を知らないと理解が困難と思われます。男(宮崎監督)の甘いロマン性が強く印象に残った大人の恋愛映画(宮崎映画では珍しくヒロインに女性フェロモンを感じた)でもあり、戦前の窮屈な時代に理想の飛行機作りを夢見て全力で生き抜いたひとりの技術者の物語でもありました。特に今回の映画はどの画面も美しく生き生きとして迫力があり、絵を見ているだけでも楽しめました。戦前の時代の悪いところはきちんと静かに批判し、天災の恐ろしさや人災(戦争)の空しさが映画を見終わって静かではあるけれど強く伝わってきます。1946年生まれのかって計算尺を愛用していた元研究開発従事者としてはすごく共鳴できた感動作でありました。
美しい
全体的に、美しい。
絵もストーリーも
全部全部美しかったです。
ジブリ作品はすべてみてきておりますが
時間がゆっくりだなあと感じた映画は
これがはじめてです。
なほこさんは美しく、
じろうはまっすぐでした。
すこし難しいですから
子供さんにはむいてないかもしれません
ほんとうに、
今までのジブリ感がなくて、
わくわくは全くしません。
ですがそれを上回る
自然に涙がでてくるような、そんな映画
飾っていない
作られていない
まっすぐな人生
なんか、終わった後
もう一度じっくり見たくなりました(笑)
心にしみるすばらしさと美しさ
いいか悪いかでは判断できないです
すきか嫌いかも、見終わった直後は、わからなかったです
おもしろいかどうかもわからなかったです
ただ、終わった瞬間に、鼓動が激しくなり、
涙が止まらなくなり、何も言えなくなり
帰宅してからも様々な思いが、映画のシーンと
ともに湧いてきます
久しぶりに感動しました
とても美しくすばらしい映画です
生きていく上で見ておくべき映画のひとつでは
ないでしょうか
もし、今見て、おもしろくないと思ってしまった
人も、いつか必ずこの映画のすばらしさがわかる
日がくるでしょう
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