風立ちぬのレビュー・感想・評価
全545件中、401~420件目を表示
こういうジブリもいいと思います
魔女の宅急便以降のジブリ作品に物足りなさを感じている私には、今作は近年まれにみるヒット作だと思いました。
声の出演に素人(プロ声優ではないという意味で)を多用するのが個人的には好きではなく、今回も「またか~」とあまり期待せずにいたのですが、皆さんいい意味で裏切ってくれました。
庵野さんも思っていた以上に良かったです。
確かに棒読みではありますが、あれも「味」だと感じました。
「製作の裏側」をテレビ番組で見てしまったせいで、飛行機の音やアルパートさんの歌では笑いそうになってしまいました。あれは見なければ良かったな…
観る人によっては評価が分かれる作品だと思います。
「ジブリなんだから大人から子供まで楽しめるファンタジーな作品を」
…と思っていらっしゃる方にはつまらなく感じるかもしれませんね。
しかし。
作中、過去のジブリ作品のキャラがチラッと登場していたところはジブリらしいなあと思いました。
評価に満点を付けなかったのは、中だるみになるのを感じたからです。
展開に波がなく、淡々と話が進んでいく部分は少し退屈でした。
個人的なことですが、昨年に仲間が急死する経験をしましたので、
「君は生きねばならない」というラストのセリフは、遺された者として心に突き刺さり、涙が溢れて止まりませんでした。
全ての先入観を捨てて見る
じわじわと感動が湧いてくる作品です。文学小説のように、行間を読む映画です。
今時の映画は説明が多く、見る側も頼ってしまいがち。でも、たまにはこういう不親切なまでに省略されて、そこからみた側に様々な思いを読み取らせる映画もいいと思います。
Yahoo評でもそうですが、ジブリだからこうじゃなくちゃいけない、とか、ジブリファンだけどこれは酷いとか、戦争シーンがないとか、話しが突然飛ぶとか、結核患者のそばでタバコはあり得ないとか、一つの今の価値観でしか見ないと全くわからない、盛り上がりのない駄作となってしまう。ひいてはジブリは終わったとか、じいさんの独り言となってしまうのです。
この作品はそんな表面的なことに縛られたら良さを見つけることができません。ジブリの美しい絵に乗せた壮大な文学を読み取って欲しいと思います。庵野さんの声もそれを読み取れば、声優には出せない味を感じられます。
歳とりぬ。
今作の予告を通算100回は観たんじゃないかと思う^^;
それくらい、かなり以前から、劇場で流されていた。
直前には例の4分間映像。初めは終映後だったけれど、
それだと客が帰っちゃうもんだから(爆)前にしたみたい。
当時不安になったのは、皆さん御承知の通りで
「だぁ~れが風を見たでしょう…」のあのくだり(爆)
え?この声優(じゃないけどね)でいくの?と思ったのと、
飛行機の機械音が人間の擬声(気になる)だったこと、
これはどちらも、聞けば聞くほど(そこに拘ってしまうほど)
非常に気になって仕方なかったことである。
が、本編。実際に観てみると(予告ではない分)
そこまで気にはならなかった。最大の難所、庵野監督の声も
慣れてくると気にならず。決して巧くも聞き易くもないけれど。
主人公の稀有な性格に合わせ、彼にムリにやらせたんだから、
どちらかというと、気の毒な役回りだったと思う。
その他の俳優が出す声優演技には、ほとんど文句なし。
可も不可もなく普通に過ぎゆく叙情詩のような話の流れは、
なんでわざわざアニメでやったんだろう?と思うほどだった。
宮崎駿も歳をとったんだな、と思う。
ファンタジーといえば、妄想と現実を行き来する主人公の夢
くらいのもので、あとはリアルな時代感に重点を置いている。
堀越二郎と堀辰雄の半生や作品を合わせ、フィクションで
ラブストーリーまで継ぎ足し、その時代がこうだったことを
十二分に観客に見せつけている。
いい話ではあるし、理解もできるが、特に心には残らない。
素晴らしい映像センスと、躍動感あふれる飛行機の疾風感、
まるで今作のために書き下ろされたようなテーマ曲といい、
魅せるための選択に狂いはなく、プロの仕事だなと実感する。
だけど、纏まり過ぎて狂いのない物語には面白さはない。
こちらが感動に震えるようなドキドキ感が感じられなかった。
なんだアレは?と思うような変な生き物(爆)も出てこない。
過去の何作かには、まだそれ(挑戦)が感じられたので、
やはり宮崎駿が人生を振り返り、纏めの段階に入ったかなと。
本人が何をどう考えているのか、私には分からないけれど…
二郎と菜穂子のラブシーンには、ちょっと驚いた。
物語が現実的であれば、ラブシーンまでも現実的(爆)
あまり宮崎作品でこういうのを見たことがなかったことと、
(大変申し訳ないが)この場面を50を過ぎた監督とあの女優が
演じているんだ…なんてことが脳裏をよぎってしまい、
観ているこっちの方がこっ恥ずかしくなってきてしまった。
いやいや、感動場面でした。特に菜穂子のあの選択は…ねぇ。
当時の女性が(男性優位の中で)どう立ち振る舞ったか、
当時の言葉遣いや所作・動作の流れがいかに美しかったか、
今では忘れ去られてしまった美しい日本の姿が堪能できる。
会社ブランド名が先行して、
実際に観た人の感想が紆余曲折を辞さない有名作品と化した
ジブリ作品。良いも悪いも観た人の価値観に因るものだから
それはどっちもアリだろうと思うのだけれど、
観客たちも歳をとってその流れを振り返った時、あ~変わったな
と実感できるのが、映画を観てきたことの醍醐味かもしれない。
(どんな哀しみも乗り越えて強く生きる。人生のテーマだもんね)
こんな宮崎アニメも良いと思う。
ジブリとしては初めて(紅の豚もか?)大人向けのアニメ。ジブリ映画のいつもながら、しっかりと丁寧に演出、描き込みが好感触。主人公、二郎の葛藤や戦争に対する感情などを省いたため、共感出来ないなどの声があるみたいだが、それはそれでありかなと。
絵で魅せる
やはり宮崎監督の作品は絵が綺麗。人物の動き、キャラの顔がいいですね。
本作は男性からの評価が高いのではないですかね?仕事に生きる主人公の姿に共感するところがあるのではないかな。
私の感想しては、二郎の夢であった飛行機を作ることへの情熱はわかりましたが、途中少し中弛み感があり疲れました。恋愛部分については、なおことの再会から恋愛に至る過程が浅すぎて残念だなと…結婚してからもなおことの絡みが少なすぎて一日一日を大切に過ごしている感があまりなかったですね。いつでも仕事中心で病気のなおこに慰められている感じだったので、会いたさに療養所から来てしまったなおこへのいとおしさやいたわりを表すシーンがもっとあっても良かったのではないかと思いました。帰ってしまったなおこを追うとか看取る場面もなく、飛行機を完成させたのはなおこのおかげ、ありがとう、では女性の私的には感動にはつながりませんでした。
横やりですが、結核は昔はうつるため隔離された不治の病なので、他人の家であのような生活は難しいかと思いながら見ました。
また、なおこが一服するときも手を離さなかったことにシラケたとのご意見、私としては、愛する妻が肺病患者なら、手を握ってあげてここでタバコを吸うのはやめるよくらい言って欲しかったですね。
さすが。
一言でいうと、技術者のファンタジー。
悲しくも最高の人生を過ごした男の一生の物語。
尻切れトンボ感が強かった最近の作品と比べて
(多少はその気もありますが)よくまとまっていました。
70歳を超えて、このクオリティーは脱帽です。
一緒に見た相方は庵野氏の声が気になったと言っていましたが
自分はそれほど気になりませんでした。
久しぶりに大人のために作られた作品です。
近年の宮崎作品の中では一番
みてきました。
最近の宮崎作品をはじめ、ジブリ作品に対して
正直興ざめしていたのであまり期待せずにみはじめました。
最初の頃は庵野さんの声も気になりますが、どこかからか
あの声とキャラクターがぴったり収まってしまっています。
それは物語の中に自分を没入できているからなのかもしれません。
没入できる人と、そうでない人に別れる作品なのでしょう。
多少なりともモノづくりに関わったり、それに憧れを抱いた事が
有る人なのであれば、没入できるのではないかと思います。
当然没入できないと粗が色々とは見えてくるとは思います。
ゼロ戦がどうだ、戦争責任がどうだ、庵野さんの声がどうだとか。
自分は粗もあるけど、それ以上に入り込めちゃったから
問題無しです。
こんなのジブリじゃないと泣き喚く前に・・
5年ぶりの宮崎駿監督その人が手がけたジブリ新作!!ユーミンの名曲「ひこうき雲」の調べに乗って、手練れの電通ディレクターが手がけた予告編、日テレのいつもの宣伝にまんまと煽られ、いやがうえにも高まる我ら一般大衆の期待感!しかしそれが大きいほどに、裏切られたと思った瞬間の不快感や失望は深刻なイラ立ちへと変わり、ネット上では駄作だなんだと、こんなの私たちの好きなジブリじゃない!とそれこそ駄レビューと雑言が飛び交う。
そもそもジブリモノじゃなきゃ「風立ちぬ」なんて、どうやら名作らしいけど自分なんて5ページも読まないうちに寝ちゃいそうな、地味っぽい純文学の原作ベース、零戦と堀越二郎でもくっつけてなきゃマニアックな文学ファンしか観ないよな〜・・という自分で自分の知性を否定しといて、その後に気づいて憮然としてしまうような笑えない疑問もありますが、
ともかく、人の欲望はキリがないので、カネ払って来たんだからもっと楽しませろ!もっと感動を寄こせ!ジブリ作品だったら当たり前だろそれくらいは、とね。 それはもうジブリの提供してきたエンターテイメントにすっかり狎れちゃってるんですね。そしたらね、何か親しんだ味と違うじゃないかと。これは(ジ)ブリじゃなくてタダのハマチじゃないかと(おいおい( ̄◇ ̄;)!)
或る意味で今の世の中、それこそ人の心は、まさに大人としての均衡が崩れまくってますから、こんなにも知的に文学的に、生きるという事のテーマ出ししてこられても、おいそれと心には染みないし、理解できない自分の今に気づくことも出来ないのかなと。気づかないままにもっと手軽にそう言う事の周辺にある感動や幸福感だけを味わいたい、と。あぁそれは自分も含めてなんですが、もしかしてなんて不幸な事なんでしょう。
他のレビュアーの方も書いていたけど、5年後10年後の今よりは(多分)成長しているだろう自分の感性で、またこの途轍もないアニメ作品に向き合えるよう、今これからを一生懸命「生きねば」と、そんな感慨を抱きながら映画館を後にしたのでした。
地味だからこその名作
ジブリ映画のファンと言うわけではないのですが、予告編をみて気になったので劇場まで足を運んで見てきました。
客層は様々で、普段こういう感じの映画を見なそうな方も多かったです。
全体としては地味な構成。
山場といった山場もなく、途中でどこまで進んだのか分からなくなりましたが。
何というか、それがよかった。
元々「堀越二郎の半生を描く」とのことでしたので、伝記的要素が強そうだなとは思っていました。
実際は結構弄っているそうなので、オリジナルストーリーに近い様です。(これは見終わった後に知りました)
メインとなるのは零戦を作り出すところまで。
その後の戦時中の描写はほぼなかったはずです。
メインは堀越二郎さんなので、これくらいでよかったんじゃないかな。
零戦押しが激しいとメインが変わっちゃいますし。
別に零戦を製作する映画ではないので。オプションの一つだと考えると説明の薄さにも納得がいきます。ちなみに戦争を賛美するような映画でもないですし、兵器としての零戦を賛美するような映画でもないです。というか戦争ものだと思ってみない方がいいような気がします。メインはそこじゃないです。
全体的に今までのジブリのファンタジー色は薄いです。
対象年齢も高め(……と言っても今までのジブリも決して低くはないと思いますが)でした。
多少客層を選ぶかもしれません。他の方のレビューでも書かれていますが、結構男性的な映画だったと思います。
声優もジブリ安定の素人。これは毎回ですからマイナスにはなりませんね。
個人的には庵野さんの二郎、よかったです。監督は「昭和インテリの声」とのことでの起用だったと思いますが、まさにその通りな感じで好きです。最初は気になりましたが、集中していると気にならなくなりました。
作中で二郎がタバコを吸うシーンには少々ビックリしました。ジブリで主人公がタバコ!こんな絵あまりないぞ!なんか色気を感じました。ドキドキです。
二郎と菜穂子の恋愛描写も大人っぽい描写でしたね。
菜穂子は結核で先が短く、終盤には山奥の病院に戻っていってしまいます。
綺麗な所だけを見せたかった菜穂子。菜穂子は二郎の見ていないところで苦しんでいた様です。二郎が妹さんにそれをなじられるシーンもあります。
しかし、菜穂子はそれでよかったのでしょう。
二郎を薄情だとおもう方もいらっしゃるでしょうが、菜穂子自身が知られたくなかった。苦しんでいる姿も、青ざめる顔も見られたくなかった。そう思います。
結核の菜穂子の隣でタバコを吸うシーンがありましたが、先に外に出ようとした二郎を止めたのは菜穂子でした。少ない時間のうちにできるだけ隣にいようとする菜穂子の姿には涙がでました。
美しい飛行機を作りたいと言う二郎の願いは純粋でした。
しかし悲しいかな、誰も美しいだけの飛行機を許してはくれなかった。
零戦はツールでしかないのです。
武装していようがなんだろうが、ただの飛行機でしかありません。
人が死ぬと言うことが今よりももっと近かった時代です。現代の感覚では理解できないでしょう。あの時代のエリートのひたむきな姿。大切なもののためのまっすぐさが切ないです。
ラストで二郎が言った「一機も帰ってこなかった」。泣きました。
直接では描写されないたくさんの人々の死。
零戦の製作によって二郎はそこに関わってしまった。
しかし、彼は自らの夢の代償を知り、覚悟を持っていたから淡々と話す事ができました。
あの時代だから持ち得た人々の覚悟を感じます。
登場人物たちの行動を肯定するような内容でもありません。二郎は零戦を作らない方が良かったのかも知れませんし、菜穂子だって病院にいたほうが良かったのかもしれません。ですが、正しさなどは関係ないのでしょう。生きることを描いた作品でした。
描写されぬ裏側を感じてください。提示されたものだけを見るのではなく、ほのめかされたものを感じてください。
深い余韻を残す
とっつきやすいが、奥が深い。
宮崎アニメ・ジブリというと、おこちゃまからおじいちゃん
おばぁちゃんまで。まさにその通り。
観客の年齢層が幅広いのだ。
誠に失礼な話だが
本当は、この風立ちぬを見ようと思った最初のきっかけは、
庵野監督がヱヴァ放り出して何してるか
観てやろう、いや見ずにいられるわけがないと恨めしいもの。
前言撤回、事前知識を積めば積むほど、5年かけた思いを
汲み取れば汲み取るほど、そういう気持ちはかききえた。
作品に真摯に向き合う覚悟と、お勉強が必要。
最後までお行儀よく座席に座っておクチにチャックするくらいの
最低限度のマナーが必要だ、とくに大人。
おこちゃまのがきちんとおとなしく見てたぞ。情けない。
ヱヴァQとエンドロール付近を比べると、いかにお行儀のよい
訓練された観客に恵まれていたのかと痛感せざるをえない。
エンドロール後に次回予告がありうるヱヴァじゃぁ、みんな
お行儀よくおクチにチャックしてお座りしてるのが暗黙の了解で
当たり前だ。でも、
ジブリやほかの映画じゃ、ヘタするとエンドロールで立席
するお客がいるわけだ。だからこそ、余韻を楽しめず
潰されてしまう。これが悲しかったのだ。
きちんと最後まで向き合って、どう感じたか?
それがすべて。
ゼロ戦について知識を積んでいない分、主人公次郎については
少なくとも好印象以外の感情を持たなかった。
弱き下級生がいじめられるのを放っておけなかったり、
ドアなどの開け閉めが丁寧で、所作や存在自体が
上品で凛としていて好感が抱ける。
混雑した列車で席を譲る。もう、数えきれないくらい
この人いい人だな描写だらけだ。
作品についてはテーマに直結するものが多すぎて
宮さんあんた頑張りすぎだよと
映像を見ていて痛感するものがありすぎた。
とっつきやすいが根深いテーマ。その奥深さはまるで底なし沼みたいだ。
それこそ他人がどう感じたかなんて関係ないのだ。
99人がこの風立ちぬをこきくたそうと、自分は100点をあげたい。
5年かけてこの作品を作り上げ、形にし世に送り出したこと。
もののけ姫で込められたテーマが重すぎるとさじをなげてしまった自分。
人間だけなく、風景が、風が、エンジンが、ネジひとつひとつが
脈打つ映像。お空の雲、青さ。そんなとりとめのない当たり前のもの
たちが作り出すあの空間と雰囲気。
こういうのは宮崎さんならではの味だ。
劇場でだからこその音響、映像の迫力。
ジブリファンだというのなら
せめて一度は宮さんが5年心血を注いだ映像を目に焼き付けるべきだ。
さばのほね、美しい、シベリア、あなたがこれを見て
残ったフレーズは何ですか?
余韻を深く残す作品です。
エヴァ好きとして見ると台詞の「2号機」とかドイツ語を話す庵野監督
などフワァッと浮き上がりそうになる自分を抑えるのが大変でした。
確かに現実的につっこみどころは多々あるけれど。
作品単体を極力事前知識を控えて作品を見て消化してみると
この作品を劇場で見て本当に良かったと言いたい。
一番なえたのはかぐや姫の予告。
上映予定を公言してきちん守れないアニメ監督というのは
自分の中でかなり評価をさげます。
風立ちぬの最後まで、余韻に浸ってみるべき価値のある作品でした。
小さな子供を決して置いてきぼりにさせない映像の工夫や
苦心がうかがえました。
エンドロールの最後の最後まで一般のアニメと接点のない大人の
興味をひく努力をしてほしいというのは
さすがにかわいそうだ。
手書きっぽいエンドロール。きちんと向き合って味わおうとする
気持ちさえ持っていれば、
5年間かけた作品に対して失礼な行動は慎めそうですがね。
作品は最高でしたが、同じ空間を共にする観客、雰囲気で
がっかりするところが多すぎました。
こころざしの高い主人公というのは見ていてすこぶる心地がいい。
今時なかなか見かけないからこそ余計そう思う。
DVDでもう一度、振り返りたいと思えるすばらしいアニメ映画でした。
宮崎監督の作る映像がまだまだこれから見たい。
悪いが、最高の映画だった
賛否両論あるが、純粋な個人の感想としたら最高の映画であった。
モノを作る仕事に携わっている人、自己を顧みず最前線で働いている人にとっては、いつの間にか自分を映画の中に落とし込んでしまったのではないか。
勉強会で上司に感動したと言わしめる姿。
うらやましいと感じ、明日からの仕事に少し意気を感じたのではないか。
エゴ・結果・趣味・責任
こういった物が溢れ出すのを、ぎりぎりの状態コントロールする。
何事でも全てをマネジメントできる人間は一握りだ。
その気持ちや感覚を理解出来ない人がいることは仕方がない。
まして子供の理解は困難であろう。
更に完全に男目線であることも女性の批判を受けているのでは。
ジブリは老若男女に支持されるあまりにも巨大なブランドが出来上がってしまっている。今回誰にでも共感出来る部分が軽んじられているのは明白であり、そのギャップにつまらいと感じるのであろう。
見てもらう対象ではない人も見てしまっているのだからしょうがない。
また、この内容はアニメでなく実写でも制作可能であろう。
ただ、アニメと実写との差はそこに役者という個人の判断が入ることにあり、すべてのエキストラのようなキャラクターも含めてコントロール出来る事がアニメと実写の違いだと考える。
そういった意味でもこの映画は宮崎駿監督の思想をストレートに表現している観客への手紙と考えるべきであろう。
見る側も登場人物の視線から、コメント、自然の描写、動き等映画の全てに監督の意図を想像するべきであり、それが出来る密度の映画である。
落胆!100歩譲っても厳しい!
昨日、職場の女子三名で「風立ちぬ」を観て参りました。
ジブリ作品が大好きな私としては、かなり楽しみで、胸膨らませすぎたのかもしれません。
結論からいうと、、、
いまだかつてない、ガッカリ度!ため息がいまでも止まりません。
まず、率直なところ、エンターテイメントとして、全然楽しめませんでした。
もちろん、テーマは重いものは重々承知です。
しかし、ナウシカやラピュタの時のような、胸にキュンとくるピュアさや、
キラキラした感じがまったくなく、かといって、
千と千尋や、もののけ姫のような独創性やパンチもなく、単調きわまりない印象でした。
いつも効果的な音楽も、心にまったく響かず、
いつ感動がくるんだろう、、、
いつ泣けるかな、、、
と思っていたら、唐突に話が展開して、終わってしまう結末です。
たしかに、「夫婦愛」みたいな面では、
少し、心の琴線に訴えてくる気配はあったものの、
全体の運びとして、乱暴というか、現実味がない展開が目につきすぎて、
「ううーーん」と、ため息がもれてしまう状態でした。
特にラストの終わり方は衝撃で、
↓↓↓
僕(主人公)は、夢をかなえるために美しい飛行機を作りたかっただけなんだーー。
↓↓↓
でも、結局、それが日本を破壊したのだよ。
↓↓↓
でもでも、あなた(主人公)は、生きて!!!
(終)
・・・、みたいな状況で、
劇場にいた人みんなが、
ええええーーーーーー!
これで、終わるの!?
という、
戸惑いの声が続出の締めくくりでした。
唯一の救いは、西島秀俊さんの安心して聴けるいい声。
そして、すべての、ひっかかりの元凶は、
やはり、主人公の庵野さんの声。
エヴァも好きですし、
庵野監督も、本当に才能豊かな素晴らしい方です。
・・・が!
・・・が!
100歩譲っても、これは、やっぱりなかったです。
完全に、主人公の声が違和感があり、集中できません。
棒読みすぎて、感受性が豊かな私みたいなタイプには、
こわれた音楽を聞かされるようで、
スーーーっと、心にストーリーが入りませんでした。
涙もろい私は、たいてい、おきまりの泣きのシーンではウルウルするのですが、
この作品だけは、冒頭から中盤、終盤にかけてと、一滴も涙はでず、
率直に、感動作でもなければ、エンタメとしての壮大さや、メッセージさの低さに、
「駄作」としかいいようがない感想となってしまいました。
いまでも、ナウシカやラピュタ、ポニョなどは大好きですが、
ジブリ作品の一番の魅力であった、
夢や希望、ピュアさ、ユニークさが感じられなかったのは残念でなりません。
政治的な思想性を入れたかったのかもしれませんが、
どれも中途半端になってしまった印象です。
ディズニーや手塚治虫のような、
大人も子供も、深い感動で包んでくれるような作品がジブリから誕生することを、
祈ってやみません。
心に残ります
まるで、昔の名作と言われる美しい小説を読んでいるような感覚になりました。読者を置いてきぼりにしているようでとても心に残る作品だと思います。なので、小説読めない人にはオススメできないですね。子どもには難しいのでは。
女性からみて主人公はとても魅力的な人です。今の時代にはなかなかいないです。英才でありながら、情熱をもつ。恋愛に全てを捧げるのではなく、仕事に打ち込む姿はとてもかっこいいです。
時代背景として批判されている人もいますが、そういう生き方をした人がいたというだけのことだと思います。
戦争を美化させる要素は全くありません。実際に二郎も特高に追われ身を隠しています。むしろ、戦争のどうしようもない理不尽さを感じます。
時折二郎から感じる仕様がない精神?は日本人特有の精神だといわれていますし、ジブリ作品は日本人独自の精神•考えが根にあるものが多いですよね。今回もそれなのかな?
これから何回もみることで、新たな発見がありそうな作品です!伸びしろを考えて4にします。声優はすごくよかったです。
私はこんな手紙だとおもっています。
映画を見てから2週間が経ちました。
ものすごい余韻が徐々に去った後、いまも残っているものがあります。
日本が戦争をしたのは、どうしてだったのか。
国民は、何も知らなかった。
お国のためになると思って、家族を兵隊にだし、
それに異を唱えるものを、非国民とあぶりだし、
お寺の鐘を溶かして兵器を作った時代。
無事帰ることを望むことさえ、許されなかった時代は、
どんな足音でやってきたのか。
戦時中は、知らされずにいた。
今は、どうなんだと、問われている気がした。
「何処かで誰かがうまくやってくれているはずだ」というのが、
間違いだったことは、震災のあとの事故で分かっている。
何も知らない。知ろうとせずに、考えずに、スイッチを切り替えて、楽しければいいと、
劇中の軽井沢のような場所で、臆病に毛布をかぶって隠れてていいと思ってんのかって、
宮崎さんから手紙が届いた。
どんな未来も、自分達が生きた過去の上に築かれる。
一機も帰ってこなかった飛行機を作ったことの、是か否かではなく。
その過去の作った未来で、人は生きなければならないのだと、
言われている気がしました。
宮崎駿は何故こんな駄作を送り出したのか?と切り捨てる人々
失望、金返せ、もうジブリは観ない、庵野最低、駿は老害、眠いだけ、何が言いたいのか判らない、薄っぺらな話、etc…
特にYahoo映画レビューでは短いセンテンスの罵倒のオンパレード。そしてその手の罵倒には必ずどれも高評価が付く。二位以下のレビューに対し桁が2つ違う異常な投稿数。何やらバイアスのかかった連中の集中攻撃の匂いがという気まで起きてくる。批評はいいです、しかし作品や個人をただ貶めるような言葉の羅列は如何なものか?
確かにこの作品は、表現や説明の極端な省略の中に、行間の中に、観客それぞれの想像の翼を拡げる余地をあえて多く残した作り方をしている様に思います。ジブリアニメ作品としては異例の、しかしそれ故の大人のための作品。
生きる事の経験が重なるほどに、心の引き出しが多く、広く、深まるほどに、作品の味わいは様々な想いと余韻をあなたの中に静かに拡げていく、たった一度の鑑賞でお終いにするのでなく、これは幾度も観てそして幾度も読む映画なのだと思えます。
これから観ようかどうしようかと迷っている方は、過剰な口撃の言葉には惑わされず、それこそ今ある貴方の曇りなき眼で鑑賞し、レビューを載せる時には、きちんとした言葉で批評してもらえたらと思います。
そして今は一刀両断に切り捨ててしまっている人達も、5年後、10年後、20年後の自分でもう一度この作品に向き合ってもらえたら、きっとまた違う味わいをこの作品に見出すことが出来るだろうと、自分はそう思います。
美しい大人のファンタジー
戦争を賛美も糾弾もせず。ただ淡々と人間愛と飛行機、そして大空への見果てぬ憧憬を描いた正しく宮崎駿の最高傑作。
美しい映像と美しい音楽。
オープニングのノスタルジックな田園風景とバラライカの奏でる切ないトレモロ‥‥。
名作とされる映画には、やはり名曲は欠かせません。今回の映画は久石譲の音楽が素晴らしい相乗効果を与えています。
(毎回素晴らしいのですが今回特に)
封切られたばかりの新作なのにすでに不朽の名作のような雰囲気を漂わせているのは、映像と音楽の素敵なマリアージュのせいでしょう。
カプローニとの夢での邂逅シーンは非常に重要で物語の骨格と言っても過言ではないと思います。主人公二郎の声に関しては私は違和感なく聞けました。逆に見事なキャスティングだと思います。理系の人間はああいう抑揚の無い言葉使いするし、じじくさい声という批判もあるけど昭和初期の人間は今よりも老成しているし、特にインテリゲンチャはあんな感じの声のトーンだと思います。とにかく泣ける映画。ある程度人生の年輪を重ねて仕事、恋愛、結婚、子育て、最愛の人との別れ…。などを経験した人間が見れば間違いなく感動します。確かに子供向きとは言えない作品ですが全て理解出来なくても色々なシーンや言葉、音楽が必お子さんの心に刻まれると思います。是非ご覧下さい。
草食、ゆとり世代は分からない
子どもの頃に見た透き通る青空と青い緑の美しい中で、親世代から聞かされた貧しい何も無かった時代に、国造りの為には、大事な人の命が消え失せようとしても、見返りもないのに涙を図面に落としながら努力するなんて、世界一の長寿国で、豊かな安全な平和ボケした国に生まれた世代は理解できない。自分の時間を大事にして、恋するなんて、面倒くさがりの世代は、一緒に居たいという意味は分からない。こんなに必死に生きても、見返りどころか大切な人を失うつらさに、身に詰まるほど、心が締め付けられました。
がっかりでした
宮崎アニメの復活を期待していましたが、正直、がっかりしました。どうも「ハウルの動く城」あたりから、宮崎駿監督の感性が、大多数の人々の欲求に答えられなくなっている気がします。短いカットでの神通力はあるものの、映画トータルで何を観客に伝えるのか?整理できていなかったのではと思います。 また、どのように観客に伝わるのかを考えることも、周りの意見も聞くこともなく、ただただ自分が気に入ったもの・作りたいものだけを映像にしているのでは?と考えてしまいます。
それにしても、最後まで、主人公に感情移入まったくできませんでした。素人を声優に設定するのに反対はしませんが、長時間、素人の吹き替えを聞いているとイライラしてきます・・特にラブシーンのところ。それにひきかえ、奥さんが清楚で健気で、いっそ、主人公を反対にして、この映画の唯一の救いであるラストの「飛行機雲」を際立出せた方がよいと思いました。
きれい
戦前の日本の風景をきれいに描いています、絵の美しさはさすが宮崎駿でした。
宮崎氏、最初で最後の恋愛アニメとなるでしょう。
小さい子が見たいと言っていましたが、高学年からオススメです全編ほぼストーリーなので小さいお子さんには理解不能でしょう。
思っていたより飛行シーンが少なかったのがとにかくマイナスでしたそこには宮崎氏の老いを感じます。
堀越二郎氏の思いや生きざま背景をよく描いてはいると思いますが全体的な評価は普通ですね、オススメではないです。
全545件中、401~420件目を表示