風立ちぬのレビュー・感想・評価
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ポロポロと。
元々ジブリファンなのでこれは観なくては!と。賛否両論様々、ということは聞いていましたが私にとっては大好きな作品になりました。淡々と話しが進んで行く、という印象の方が多かったようですが私はきちんと心理描写がされているように感じましたし、菜穂子と堀越のやり取りが愛おしくてしょうがありませんでした。恋愛というのはこうあるべきだ、と思いしらされた気分です。お互いに目をキラキラ輝かせて、潤ませて、泣いて、私の感情が完全に持っていかれ中盤から泣きっぱなし。菜穂子が本当に綺麗で健気で見ているのが少し辛いくらいで。飛行機に夢、というものを初めて感じさせられました。宮崎駿の趣味全開、ということらしいですが是非これからもそうして欲しいです。
ただ、小さい子どもが初ジブリとして観る作品がこの風立ちぬだと少し可哀想な気がします。その点から0.5引かせていただきました。素晴らしい映画でした。観る価値は存分にあります
なぁ~るほど…
人其々,十人十色とはまさにこの事を云うんであろう!と,この文章を記述?している人間も思った訳であり&云われているんであろう… そういう意味でも?映画作品の賛否両論の話は面白い!! まぁ,ゴチャゴチャ云っている本人としては、大評価を!!という事は,伝えたい所…
映画的に下手くそな、つまらなさ・・・
エンドタイトルが流れると、劇場内に言いようのない「ため息」が少なからず漏れました。同行した家内も泣く準備とハンカチを握っての鑑賞でしたが、「あれっ?」って。
次の書店を指摘しておきたい・
1.ミスキャスト どう考えても主人公堀越二郎の声は失敗と思う。
2.今一人の主人公菜穂子のキャラが立っておらず、全然魅力がない。
(ジブリの女性は、おおむね魅力的)
3.堀辰雄のどこに、何に敬意を表しているのかが不明。これが「風立ちぬ」 でありながら、泣けない原因の一つ。
4.アニメにおける「夢」のシーン挿入は非常に難しく、今回は一向に効果を 上げていない。
5.黒川夫妻は良い味出していたが、主人公の感情表現が疎かになっているた め、観客が感情移入出来ない。
宮崎駿の作劇法=脚本力は、以前から大いに疑問を感じていたが、今回はそれがもろに露呈した形。とにかくドラマの作り方が下手です。
ただ美しい動画、退屈な映画でした。
ジブリファン、宮崎ファンの方、ゴメンナサイ。
広島を思うこの日に、海自最大の空母・・否!護衛艦が進水した日に・・
〜日に、この映画を見た事に、何か意味が有ったか?無かったか?
賛否両論なのも頷けたし・・
戦争賛辞と受け止めかねないのも頷けた・・
(ただ、麻生さんのナチス発言と同じで、揚げ足取りの歪曲坊てのは、どこにでもいるもんだ!)
さて、宮崎さんは?見てる側に何と言いたかったか?
夢を追え!か?
生きろ!か?
愛せよ!か?
・・俺にはよく分からなかったが、何かしら感じた方々も多いみたいだね(´・Д・)」?
アリエッティが、CVしてたね☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
☆は劇場公開1200円水準にて!
とても美しい動画を、二時間強見た気がします。
果たしてこれが映画か?ジブリの王道か?と問われたら微妙。
ただ、ハウル以来の、十年ぶりのジブリ作品復興?復古?で有る事には間違いない*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
高畑さんの?かぐや姫?も楽しみです♪───O(≧∇≦)O────♪
すばらしい作品でした
すばらしい作品だった。全てのカットが美しい。120分という放映時間は短すぎた。その分、この映画は行間に多くのメッセージが語られていた。
即ち、この作品の理解は、行間の理解の深さに強く依存する。換言すると、この映画を批評することは自分の感性を批評することでもあるのだ。とても作りが丁寧なので、その行間を読み取ることは誰にでも可能なのだから。
わたしは、今回キャスティングは大成功であったと感じた。西島秀俊さんと庵野秀明監督のが絡むシーンが沢山ある。庵野さんの代わりに、熟練した俳優や声優が二郎を演じ西島さんとからむシーンを想像してほしい。明らかに世界観が変わってしまうことに気づくはずだ。庵野さんだからこその世界観が在った。
そして、なによりもすばらしかったのが、菜穂子を演じた瀧本美織である。彼女は、その演技力を評価する高畑勳監督の強い推薦によってヒロイン役に抜擢されたことは有名な話である。彼女は、その期待に違わない、いや期待以上の演技を見せた。
わたしが、瀧本美織の真価を観たのは、結婚式のシーンである。ささやかな結婚式を用意してくれた二郎の上司にお礼を言うシーンの美織さんの演技は絶品であった。熟練した声優であれば、感情の高まりをコケティッシュな声色で演技し、感情表現に抑揚を込めるだろう。そして言葉尻で泣くのである。しかし、美織さんは、初めから泣いていた。声を震わせて泣いていたのである。彼女は、演技を超えていた。菜穂子として感謝し、泣き続けていた。残り少ない命を知りつつ感謝する菜穂子がそこにいた。すごい演技だった。
賛否両論?いや、見るべきです!
出だしから、幼少期の主人公にすっと感情移入できて、宮崎駿の描く夢にぐっと来ました。
何より、登場人物たちの動きがいい!コクリコ坂がしょぼかったのは、登場人物の動きが平凡すぎたからだと実感。
ただし!
面白いか?と聞かれたらそうではない。
起承転結!みたいなはっきりしたストーリーではないので、面白さを求める映画ではありません。
はっきりと言えるのは、美しいラブストーリーだということ!!
もうこの作品は、美しさを楽しむためにある。
夢と愛と死。
宮崎監督は、これらをなんて美しく描くんでしょう!。私は号泣しました。。
ポニョやハウルよりも心打たれるものがあり、映画館で見て良かったな、と思いました。
賛否両論なんてこと聞いていたので、火垂るの墓をイメージして身構えて見たら、想像以上の感動でした。怖くない、暗くない、美しいです。
迷ってる方は見て下さい。
好きだけど1度が良いと思った(追記)
中一の息子と2人で見ました。
TV等での宣伝以外、できるだけ内容を知らずに見たかったので
レビュー等は鑑賞後に読みました。
自分的にはジブリの中で、かなり好きな作品でした。
仕事でも趣味でも物造りをしているので、作中の堀越二郎に感情移入しやすかったのと
ざっくりとしたストーリーなため 「 間 」 の中に様々な事を想像し、親として
作る者として、夫として、日本人として、多くの感情が溢れてきました。
かなり好きな作品ですが、人生がそうなように一度しか見ない事が大事なような気がしました。
ナウシカやラピュタは子供の頃から数えれば数十回は見てますが、この作品はそういった物では無いと思います。
誰かにすすめるかと聞かれれば、すすめたいのは数人しか思い浮かびません。
何か意図してるんだろと思うのですが「タバコ」「会釈」のシーンが非常に印象的でした。
また、庵野氏の声に関してはさほど気にならないが、若い声だなって思いました。
それと「子供向きではない」という意見も多いですが、ナウシカやハウル、アリエッティだって
幼児に真意なんて伝わりませんよね?
ただ、動きやキャラクターで見れてしまうだけです。
ジブリは子供向けってイメージは大人の勝手な解釈だと感じています。
息子も「よくわからない」と言ってましたが
少しでも心に残り、気になったら、何年後かに見てみればいいよと話ました。
(帰り道、作中の言葉で意味のわからないものは、できるだけ説明はしました)
ジブリだからという理由だけで見た人にはちょっと疑問があります。
私は映画が好きだしジブリも好きですが、もしもジブリが「長島茂雄物語」
なんて映画を作っても見に行かないし、子供も連れて行きません。
野球に興味が無い(嫌いといってもいい)、子供には長島茂雄が誰なのかわからないでしょう。
「風立ちぬ」で宮さんが何を伝えたかったのか
それは宮さん自身にしかわからないと思います。
堀越二郎は宮さんでもあったと思いますが、宮さんではない。
見た人それぞれに違う風が吹き、向かい風なのか追い風なのかも違うのですから。
鑑賞後5日経ちましたが、もう一回見たくなった・・・
CMで「飛行機雲」が聞こえてくるとなんとも言えない感覚
鳥肌が立つようになっちゃいました。
何かに本当に情熱を捧げたことのある人は泣ける映画
「風立ちぬ、いざ生きめやも」=「風が吹いてきた。さあ生きようとしなくてはいけない。」という意味らしい。
「人生において逆らいがたい情熱が巻き起こった時は、そのために精一杯生きるべき」ということだと思う。
主人公にとっての「風」は飛行機づくりの夢で、ヒロインにとっての「風」は主人公への愛だった。
風に飛ばされたヒロインのパラソルを主人公が受け止めたのは愛の暗喩なのかな。最後にパラソルが消えてしまうことを考えても。
風が吹き、彼女はその風に乗るために全力で生きた。主人公も風に乗せて紙飛行機を送った。彼女はそれを受け止める。彼女の風と主人公の風が交わる瞬間。「ナイスキャッチ!」と声に出して言うのはいつも彼女の方だったけれど、主人公はそれに微笑み返す。あれはそういう愛だったのだろう。
それでも、主人公の一番大きな風はいつでも飛行機づくりに向いていた。彼女を失いかけているときですら。それはある種の狂気かもしれない。けれど人生をかけて情熱を傾けるとはそういうことだ。
ヒロインの風はほんの少し彼の人生に寄り添って、そして途中で消えてしまった。
きれいなものを愛した主人公のためにきれいな思い出だけ残して、彼女の風は主人公を通り過ぎていく。
「だあれが風を見たでしょう
あなたも僕も見やしない
けれど木立を震わせて
風が通り過ぎてゆく」
主人公の風は最後まで止むことはなかった。愛する女性が消えてしまっても。彼の飛行機が亡国を招いたとしても。多くの兵士が彼の飛行機で死に、「一機も帰って来なかった」としても。
何もかもを失ってなお、彼の風は吹き続け、だから彼はその風に乗り生きた。風が吹いていたから。
だってカプローニさんは言ったのだ。
「創造的人生の持ち時間は10年だ。君の10年を力を尽くして生きなさい」と。
主人公の10年は、後半ボロボロだった。だけど彼の風はそこで止まなかった。だから彼はもう一度10年を生きるのだ。それは、クリエイターの業みたいなものなのだ。最愛の妻が結核を患っていても、作品づくりに没頭してしまえば無意識にその横で煙草に火をつけてしまう。あの批判が集中しているシーンには、主人公のクリエイターとしての業が集約していると思う。
「生きることは美しく残酷で、そうしてもし風が吹いたならば、情熱があるならば、さあ我々は生きなければならない。」
私は若輩者なので倍以上生きてる宮崎さんの思考なんて分からないけど、ものづくりに人生を捧げた彼が作ったこれは、そういう作品なんだろうな、と見終わって思った。
名作だと思います。
泣いた
最後の堀越のシーンで泣いた。号泣だった。
暑さ対策のタオルが涙拭きになってしまい、EDでも涙は止まらず。
この映画は、恐らく賛否両論だと思う。
好きな人は好きだし、そうじゃない人はそうじゃない。
一応感想を書いてみようと思う。
堀越の夢って結局のところ綺麗事でしかないと思うんだよ。
本人にとっては何にも変えられないくらい大切な夢なんだけど。
結局後に残ったのは無残に撃墜された飛行機の残骸と、戦争で荒れ果てた日本の姿。
あの飛行機の技術がなければ戦争が激化することもなかったかもしれない。
全ては結果論ですが…。
菜穂子が居なくなった後は、言葉通り「地獄」だったんだと思う。
その菜穂子の命さえも堀越の夢のために削ってしまった。
自分が追っていた夢が色んな人の幸せを削った。
絶対的だった「夢」に内心否定的な感情を持ったんじゃないのかなあ…想像だけど
最後の夢の中でさ、もう堀越頑張らなくていーよって正直思いました。
なんか、もし私だったら生きるのが辛い。
苦しいし、そこまでして生きたくないし生きられない。
カプチーニだかカプリッツォだかが「生きなくてはならない」とか言ってたけど、「いやいやいや!」って。重荷すぎるよ!!
でも、菜穂子が出てきた時のセリフで納得しました。
きっとあのセリフで堀越は救われたんじゃないかなあ。
あ、生きてていいんだって。夢を追っても良かったんだって。
そして、「生きるって素晴らしい」と言った菜穂子の命を削った責任がある。
堀越は生きねばならない。宣伝の「生きねば」に繋がる。
でも、それからの堀越の人生には菜穂子は存在しない。
孤独の中、何が何でも生きてかなきゃいけない絶望。
堀越の夢を理解できる人は菜穂子以外存在しない。
共に苦しみを分かち合う人はいない。本庄だっけ?あの人は菜穂子のポジではないですよね、たぶん
救われた気持ちと、深い絶望。
「ありがとう」と何度もつぶやく堀越にはもう「生きる」ことを許されたと同時に、生きなければならない。
生きてもいいんだ。自分は生きねばいけない。
ぐっときた。
そこから映画の宣伝で使われる「生きねば。」という言葉。
泣くよ!!!
自分が夢を追ったせいで他の人を不幸にするって、普通の人でもあることだと思うんですよ。。。
私自身が、そういう迷惑をかけたことがあって、
たまたま生命の狭間に立った経験があるからかもしれませんが…。
むっちゃ個人的な考察でしかないのですが、
他の人がどういう感想を持つか分かりませんが、最後のシーンで涙腺は決壊しました。
面白かったけど2回目観たいとは思いません…40年後くらいにまた観たい映画です。
ただ、名作ではあると思います。
紅の豚
時代背景が「紅の豚」と同時期~以後なので互いの作品の世界観を補填するのに非常に有用な気がしました。
若干話の展開に置いてきぼりをくらった感があったのが残念だったです。それ故また見たいとも思っちゃったりする訳ですが。
あと「上野から富士山が見えた」と何かで聞いたことがありますが違う事だったかな??
兎も角良い映画でした。
予告編が面白い
予告でかなり気になり久々に映画館でジブリを観ました。
なんというか…特に不自由なく育った青年が恋をして、挫折して…
淡々と進みすぎて感情移入できず。
庵野さんの声は賛否両論ありますが、私としてはなしでした。
素朴な味わいとかはわかるが、年齢が…年を感じさせる話し方が気になります…
黒川立会いの下、ジロウと菜穂子が結婚するシーンが少しぐっとした。
その程度のもので、まったく泣ける映画ではなかった。
戦争映画ではないので、戦闘シーンなど入れずさらっと流すのはいいとは思います。
ただ、エンディングもさらっといきすぎて…違和感。
「生きて」という菜穂子のセリフが活きなかったのが残念でなりません。
あまりにもあっけない終わりに「え?」となりました。
というか夢の中で終わってしまうなんて…
ドキドキワクワクもなく、じーんとするような感動もなく。
ゆーみんの「ひこうき雲」に合わせた予告が素晴らしかっただけに残念。
期待しすぎました。
ジブリ最高傑作
中盤から涙が止まりませんでした。
飛行機に情熱を注ぎ、夢に向かってまっすぐにあゆむ二郎と、二郎に恋をした菜穂子との美しい愛の物語。
しかし菜穂子の体は結核でおかされていた…
一緒にいられる時間はもう多く残されていないということをわかっていながらも二人は結婚し、愛し合った…
この映画には何が悪くて何が良いことなのか
そんなことは一つも描かれてません。
震災・恐慌・伝染病・そして戦争。
生きにくいあの時代の中で懸命に生きる青年の人生の物語。
ラストに流れるユーミンの飛行機雲の歌詞
高いあの窓で あの子は死ぬ前も
空を見ていたの
今はわからない
他の人にはわからない
あまりにも若すぎたと
ただ思うだけ けれど幸せ
空に憧れて 空をかけていく
あの子の命は飛行機雲
短い人生の中で二郎に出会えたことへの感謝の気持ち
菜穂子の幸せが歌われているように
思えました。
音楽も風景もストーリーも全てにおいて美しい映画。
ジブリ最高傑作だと思いました。
風立ちぬ、いざ生きめやも
今日「風立ちぬ」を見てきました
いたってシンプル、何のてらいもない
昭和10年代の風景
丁寧な描写
言葉の美しさに心ひかれました
主人公と菜穂子のシーン
一緒に暮らすふたりの
どのシーンも心にしみて
生命の瀬戸際に
何もかも削いだ
ただ愛おしいという気持ち
その清らかさ潔さ
そして主人公の飛行機に対する夢と
その結実である零戦の、悲喜劇
「風立ちぬ、いざ生きめやも」
作者の祈りにも似た意図は、
この一言に尽きるのだな、
と受け止めました
純粋で綺麗すぎる映画かな
水が綺麗すぎる泉には魚が住めないという話しを見た後に思い出した。
それほどまでに作品全体に清らかで美しく潔い空気が流れているのだが、同時にそれは多くの観客を拒絶する冷たい空気でもある
「ジブリ」映画を見ようとして見に行った観客は大なり小なりこんな空気を感じると思う
なので名作だが他人に勧めはしないし☆も一つ減らしてみた
ジブリ作品という先入観なく見れば5つ星
前評判はいろいろあれど、わたしは面白かったです。
庵野さんの声も違和感は感じませんでした。
「愛してる」とか、あんな感じで安野モヨコさんに言ってるのかな~と思いました。
今までのジブリ作品のカタルシスや爽快感を求めていくとダメなんでしょうね。
賛否両論真っ二つなのがよくわかりました。
だってジブリ映画なのにやたらチュッチュッしてるし、結婚初夜のことも露骨に描いてあるし…
これ、デートで行ったら気まずい雰囲気になるんじゃないでしょうかね~
反戦なんだけど飛行機好き、ってところを監督はよく突っ込まれてますけど、わたしも同じなので同情申し上げます。
戦争が好きなわけでないんですけど、戦争に関わるものが持つ凛々しさ、ストイックさにはひきつけられちゃうんですよね。
そしてこの映画、学生の時に見たらぴんとこなかったと思います。
働くようになって味わった、自分がしたことの結果起こる不幸、それを受け入れる苦味、みたいな二郎の気持ちは僭越ながら非常に共感できました。
あれだけ全身全霊を込めた仕事も結婚も全てが悲しい結果になったわけで、そういう「喪失感」は若いうちには想像できなかったかも。
最後のシーンの、「風立ちぬ、いざ生きめやも」は、もののけ姫の「生きろ」よりズシンときました。
「零戦なんかを作ってしまった」ではなく、「零戦という素晴らしい飛行機を作った」でもなく、ニュートラルに事実を述べるラストは大人の味わいでございました。
号泣必須と聞いていたから大判のハンカチ持って行ったけど、その出番はありませんでした。
こういうジブリもあって良し
いろいろな人生経験を積んできた
年配者向けという印象でした
さほど苦労したこともなく
夢中になれるものもない
そんな人(自分も含めなんですけど・・・)には
物足りないかもしれません
ジブリに何を求めるか?
期待が高かっただけに…
「泣ける映画」と見る前からかなり評判が高かったため、期待値が上がりすぎていたのか、一度も泣くことなく終わってしまった。
ただ、さすが宮崎駿監督の作品で、「大人向けのジブリ映画」というだけあって、奥が深く、1度見ただけではすべてが理解できないような気がした。二度三度と見るうちにわかってくるものなのだろうと思う。
菜穂子のキャラクターがとてもステキだった。病弱だが、好きな人へキレイな姿を見せたいという意志の強さ。好きな人を愛する気持ちの深さ。芯のある強い女性だと感じた。
10年間
本作品の中に、「芸術家も設計家も才能は10年だ」という様なセリフがあります。
宮崎監督の10年を振り返って見ると、風の谷のナウシカからすると、だいたいもののけ姫まで辺りが10年という区切りになります。
いやもっと前から才能は開花していただろうという考え方もありますが、映画監督としては上記の期間になると思います。
ではその後の作品はどうか。
「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」そして「風立ちぬ」
「千と千尋の神隠し」を筆頭に、興行的には「もののけ姫」以前の作品より成功しています。
しかし、それは単純に、それまでの10年の名作で築き上げた、宮崎監督のネイムバリューであるとも言えるでしょう。
初期から10年までの作品は、監督自らが描く緻密なシーンが至る所にあり、そしてそれ以外の箇所も、監督の目が行き届いており、結果、全編に渡り、監督の計算され尽くした、細部へのこだわりがひしひしと感じられ、何度観ても感動新たに観る事ができます。
しかし、それ以降は、監督が描くシーンは体力的な問題から激減し、それ以外のシーンも、監督の目が行き届いていない様に感じられるのです。
目が行き届かないのは、監督の精神力的な問題だけではなく、駄目な部分が多すぎ、そこにばかり気を取られ、全体にまで目を行き届かす事の出来ない状況になってしまうという事も言えます。
これは、今や日本アニメ業界全体が抱える問題ですが、若手育成の失敗によるところが大きいといえるでしょう。
いや、しかし、それ以前も状況的には今とそれほど変わっていなかったのかもしれません。
ただ、宮崎監督の才能が、そういった逆境をも全て解決出来てしまうほどの、とんでもないパワーが炸裂していたのだろうと思います。
監督自らも、自分の力を炸裂させる期間は終わったと認識しているのかもしれません。
もう体力的にも精神的にも、これが最後だろうと悟ったのかもしれません。
まだまだやりたい企画は山の様にあるでしょう。そういう発想的なものは衰えてはいないでしょうが、それを形に出来るという事も含めて、10年間という期限を言ったのかもしれません。しかし、会社という組織の中、自分以外に出来る者がいなければ、自分がやるしかありません。仕方なくという言葉は語弊があるかもしれませんが、ある意味仕方のない10年以降だったのでしょう。
その10年以降を今観返してみると、「ハウルの動く城」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」までは、様々な物事のために、なんとかしよう。なんとかしなければ。という、そんな焦りの様なものが感じられ、こだわり云々という以前の問題を孕んでいた様に感じます。
しかし、今回の風立ちぬは、自分の好きな物へ思いを馳せ、想像し、妄想し、いいじゃないか、もう最期なんだから。これくらいの我儘させてもらってもいいだろう、と言う様な、どこか吹っ切れた感じが伝わってきます。
それに加えて、日本を、世界を代表するエンターテイナーが、これほど私的な作品を創るという事は、とんでもない事の様に感じられますが、やはりといいますか、これが日本人という奴なんだなぁと、真のエンターテイナーにはなりきれない。結局最後は内へ内へと思考が及んでしまう。宮崎駿という人は、ある意味真の日本人というところがあります。だれよりも日本人らしい彼らしいと言えるでしょう。
まぁそうは言っても、今後100年後も語り継がれ、観られ続けるであろう名作を、アニメーション映画監督としていくつも世に残すという偉業は、その10年の間に、持てる才能を遺憾なく発揮できた証拠といえるでしょう。そして、老いも若きも、あの10年の間に、そしてこれから先も、幸せな時間を過ごさせてもらい、もらえる事に感謝せずにいられません。
これが最後なのかどうかはまだ分かりません。まだ仕方なく、会社の都合に付き合わされるかもしれません。でも、私は、後はやはり子供のために、短編アニメーションなどでいいので、創ってくれたらいいな、などと勝手にながら思っております。
ありがとうございました。
賛否分かれる映画だからこそ、良い映画。
久々の宮崎監督自身の映画。今までの映画とは違い、監督自身のやりたい事をやった感がある映画の印象を受けました。そう言った意味で、今までのようなエンターテイメント性は薄くはなりつつも、地味ながらも得体の知れぬ底力を感じさせる作品になっています。
ぼ~~っと見てわかりやすく楽しめる作品ではないので小さい子供や客層は選びますが、生産者及びクリエイター系の仕事に携わっている人達には評判がすこぶる良い作品だと思います。
生きるのが大変だった時代だけに、いつどうなるのかわからない。覚悟を決めて生きることを決意した人々は、何とも人間らしく、強く美しく「生きて」いる。
そんな素晴らしい作品でした。
個人的には涙は流さなかったのですが、むしろ劇場を出てからボディーブローの様に、かなり!!キました。創作物を見てこんな気持ちになったのは何十年ぶりか!?
涙は一時の感情で流すものであり、流したあとはスッキリして忘れるものだと自分は思うのですが、「風立ちぬ」は感情よりずっと奥にある、魂を撫でられ、それがピリピリとずっと残るような映画でした。
太い映画でした。おそらくもう一度見にゆくと思います。次は涙を流してしまいそうです。
庵野さんの声ですが、これしかねえだろ!というくらいハマり役と思いました。
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