「ひたむきな愛の物語」風立ちぬ 徹2001さんの映画レビュー(感想・評価)
ひたむきな愛の物語
堀辰雄ファンの私としては、思わずツボにはまった作品です。堀辰雄の作品を読んだことの無い方にとっては、なに? って、作品になったかもしれません。
堀越二郎の物語に仮託して、全編をを貫く感情・雰囲気は、堀辰雄の作品そのものでした。
「私たちには、もう時間が残されていないんだ」そう・・・、堀の文学の一番悲しいところ。そういった悲しみをみじんも見せず、「美しいところだけを切り取って」私たちに提示してくれるのが堀の文学でした。
一つ一つの場面が、決して堀の物語の焼き直しではなくて、監督のものになっていました。ぜんぜん嫌みでなくて、しっかりとご自分のものになっていました。ご自分の「悲しみの物語」になっていました。
この映画を御覧になって、つまらない・感動した・・、さまざまな感想をお持ちの方がいらっしゃるようです。もしまだ読んでいらっしゃらないようでしたら、これを機に「堀辰雄」の作品を是非お読みください。監督がこの作品を通して描きたかった事への理解が広がるかも知れません。
ちなみに、ジブリの作品ってそれほど見たことが有るわけじゃ無いんです。ファンの方すみません。
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