劇場公開日 2013年7月20日

「深い深い 名作なのだろうけど」風立ちぬ ripc02さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5深い深い 名作なのだろうけど

2013年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

幸せ

「生きねば」という言葉がこの物語の中心となっているはずなのに
自分には未だ理解できていない。
宮崎さんが描き伝えたかった半分も理解し得ていない自分に憤りとむなしさを感じます。

夢に没頭する生き様、「この世でたった一人」と想え会える相手との出会い、そして別れ。
すべてが尊くかけがえのない事柄なんだけど肝心の核の部分を理解できないまま見え終わってしまった。
だからもう一度見たい。何度も何度も理解できるまで、DVDでいいけど。

地震や戦争の恐ろしさを独特のタッチで表現していたのがとても印象的でした。
なんとなく二郎の朴訥な雰囲気を素人庵野さんのセリフ回しが上手に表現しているなっ
なんて感じましたが。。。いやいや、プロとして声優という職業がある以上いろんな人に失礼かなとも思いますよ

愛する人とはずっと側に居たいし、愛する人が欲していることはすべて叶えてあげたい
だから、「いいの、ここで吸って」なのである
あの手を握って仕事をするシーンにいっぱいいっぱい愛を感じた

もちろん、長く長く一緒に時を刻んでいられるに越したことはないが
一緒に過ごした時間の長さだけではない、かけがえのない人との濃密な時間が
二郎と菜穂子の人生を豊かにしたのだと思う

ripc02
ripc02さんのコメント
2014年3月1日

Zeoさん
コメント誠にありがとうございました。
なるほど、旧約聖書の伝動の書がモチーフなのですね。
小生、お恥ずかしながらその分野とは縁が無いまま勉強心も芽生えていなく
ほんとにお恥ずかしいかぎりです。
でも、おかげさまで鑑賞時のもやもやはなんとなく晴れました。
Zeoさんがおっしゃってるとおり、「ただただ自分のできることに全力を尽くすのみと宮崎さんは語っているのだ」と思いますし
やはりあらためて名作なんだと思います。ありがとうございました。

ripc02
Zeoさんのコメント
2014年3月1日

 今更ですが、ネットサーフしていてあなた様のコメントに出会いました。

 本作品の“生きねば”について、私の感想を添えさせて頂きます。

 本作品のモチーフは、旧約聖書の伝道の書に端を発しております。人の生業は空しく、その目的において真に有意義で満たされるものはないことを伝えています。これを作家堀田善衛さんが、「空の空なればこそ」で深い解釈を与えていますが、堀田さんの大ファンである宮崎駿監督はその思想を本作品に反映させていると感じられます。

 宮崎監督は、彼の作品や言動を通じて、ある種のニヒリズムを原点に持った人であり、人の生業の凡てに“空”を感じておれるのだろうと思われます。

 真の幸福とは何か、生きることの意味とは何か。求めても答えの得難い問いかけです。かような「空なる人生」を如何に生きればよいかを思うとき、聖書は「凡て汝の手に堪うることは、力を尽くしてこれをなせ」と導きます。

 矛盾に満ち、その存在に空しさしかない「人の一生」を如何に受け止めればよいかに答えを捜すとき、人生の目的は結果ではなく努力する過程そのものである、“ただただ、自分の出来ることに全力を尽くすのみ”と宮崎監督は語っているように思います。

 そして宮崎監督は幼い子供達に向けて次のようにも語っています。

 人生は生きるに値する!

Zeo