「泣いた」風立ちぬ ぺしこさんの映画レビュー(感想・評価)
泣いた
最後の堀越のシーンで泣いた。号泣だった。
暑さ対策のタオルが涙拭きになってしまい、EDでも涙は止まらず。
この映画は、恐らく賛否両論だと思う。
好きな人は好きだし、そうじゃない人はそうじゃない。
一応感想を書いてみようと思う。
堀越の夢って結局のところ綺麗事でしかないと思うんだよ。
本人にとっては何にも変えられないくらい大切な夢なんだけど。
結局後に残ったのは無残に撃墜された飛行機の残骸と、戦争で荒れ果てた日本の姿。
あの飛行機の技術がなければ戦争が激化することもなかったかもしれない。
全ては結果論ですが…。
菜穂子が居なくなった後は、言葉通り「地獄」だったんだと思う。
その菜穂子の命さえも堀越の夢のために削ってしまった。
自分が追っていた夢が色んな人の幸せを削った。
絶対的だった「夢」に内心否定的な感情を持ったんじゃないのかなあ…想像だけど
最後の夢の中でさ、もう堀越頑張らなくていーよって正直思いました。
なんか、もし私だったら生きるのが辛い。
苦しいし、そこまでして生きたくないし生きられない。
カプチーニだかカプリッツォだかが「生きなくてはならない」とか言ってたけど、「いやいやいや!」って。重荷すぎるよ!!
でも、菜穂子が出てきた時のセリフで納得しました。
きっとあのセリフで堀越は救われたんじゃないかなあ。
あ、生きてていいんだって。夢を追っても良かったんだって。
そして、「生きるって素晴らしい」と言った菜穂子の命を削った責任がある。
堀越は生きねばならない。宣伝の「生きねば」に繋がる。
でも、それからの堀越の人生には菜穂子は存在しない。
孤独の中、何が何でも生きてかなきゃいけない絶望。
堀越の夢を理解できる人は菜穂子以外存在しない。
共に苦しみを分かち合う人はいない。本庄だっけ?あの人は菜穂子のポジではないですよね、たぶん
救われた気持ちと、深い絶望。
「ありがとう」と何度もつぶやく堀越にはもう「生きる」ことを許されたと同時に、生きなければならない。
生きてもいいんだ。自分は生きねばいけない。
ぐっときた。
そこから映画の宣伝で使われる「生きねば。」という言葉。
泣くよ!!!
自分が夢を追ったせいで他の人を不幸にするって、普通の人でもあることだと思うんですよ。。。
私自身が、そういう迷惑をかけたことがあって、
たまたま生命の狭間に立った経験があるからかもしれませんが…。
むっちゃ個人的な考察でしかないのですが、
他の人がどういう感想を持つか分かりませんが、最後のシーンで涙腺は決壊しました。
面白かったけど2回目観たいとは思いません…40年後くらいにまた観たい映画です。
ただ、名作ではあると思います。