劇場公開日 2013年7月20日

「自己実現はどんな状況でも謳歌されるべきでしょうか。」風立ちぬ 映画ファンさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0自己実現はどんな状況でも謳歌されるべきでしょうか。

2013年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

宮崎駿監督のファンです。しかし、中国人としてこの映画に唖然しました。主人公の堀越二郎さんは、20年進んでいるドイツに必死に学び、そしてそれを超える飛行機を作りたい夢を抱き自己実現に向けて頑張っていたこと、菜穂子さんとのラブストーリーは、単純ではありますが、美しい色彩がのジブリ作品として楽しませていただきました。
しかし、画面に充満する日の丸戦闘機をみて堀越さんの職業観を疑います。世の中に無作為な堀越さんがいたら戦死する被害者が少なくて済んだのではと思います。エンジニアは凛とした生きるポリシーが必要ないのでしょうか。宮崎監督の生きねば!は蒼白に見えます。これが日本人が誇る職人気質かと残念な気持ちが胸いっぱいです。身近な菜穂子さんを愛せても爆弾を携行する戦闘機を作る矛盾な人生は特別な時代にこそあり得たと思いますが、数十年後、わざわざそれを作品にして何を伝えたいか監督の5年ぶりの待望の作品としてあまりに貧弱です。無条件で職人気質を賛美するものではありません。同様にポリシーがないジブリも受け入れがたいです。

映画ファン
Fさんのコメント
2013年7月26日

日本でも、中国でも、ロシアでも、アメリカでも、いまだに兵器は作られています。

何も、その兵器の生産に関わっている人達が皆、好戦的だというわけでもなくて、二郎のような穏やかな人もいるでしょう。

私自身、会社に能力を評価されて、上司に「やれ」と業務命令を受けたなら、戦車でも戦闘機でも作るかも知れません。

かといって、私は戦争は好きではないですし、平和が一番だと感じています。矛盾です。 人生を矛盾なく生きていられる人が、どれくらい居るでしょう。

F