「特に進藤先生と貫田先生に心が動いた」神様のカルテ2 movieah!さんの映画レビュー(感想・評価)
特に進藤先生と貫田先生に心が動いた
【レビュー者】
下記の状態で観賞
◆原作未読
◆1話観賞済み
◆事前情報無し
当時は櫻井翔さん目当てで観賞。櫻井さんが思った以上に作品に馴染んでいて、ストーリーがスムーズに頭に入ってきました。宮崎あおいさんとの夫婦姿も素敵でした。
今回作品のテーマは『医師の家庭・働き方』かと思いますが、演じる役者さんがとても魅力的だったのでそこを軸に感想を伝えたいと思います。
また、恐らく今回お話の構成は、進藤先生、貫田先生がメインに描かれていたと思いますので、主にそのお二人について書きたいと思います。
「医師の家庭か。感情移入できるかな?」という気持ちを持ちつつ最初の方はボーッと見てました。しかし、藤原竜也さん演じる進藤先生のシーンが出るたびに、進藤先生の夫・父としての苦しみがどんどん伝わってきて、物語中何度も胸が締め付けられました。「『立派なお医者さまですね』ってほめるんだ。」「狂ってると思わないか?」「夫婦って何なんだ?」などの言葉の伝え方、問いかけが重く、本当に苦しそうで。こちらが泣きたくなるくらい、いつの間にかとても感情移入をしてました。
貫田先生ご夫婦のお話に対して、進藤先生ご夫婦が抱えるものは生命に関わる話ではなかったので、家庭持ちではない私はその苦しみがわからないかも...ということも最初は思っていたのですが、藤原さんの表現にて進藤先生の感情に引き込まれ、今回のテーマについて真剣に考えている自分がいました。
病院でお話されるところや、子どもに接するところが優しく穏やかで、最後奥さんとの電話での話し方も色々な想いが伝わるもので、しっかりとその役の魅力も表現されていてとっても素敵でした。
そして、柄本明さん演じる貫田先生が死へ向き合っていく姿は涙が止まりませんでした。特に病室で声を上げて泣く姿は見ているのが辛かったです。死への恐怖、悲しみがとても伝わってきました。残りの命を燃やしつつもカルテを書き上げる姿、背中に注射を打たれ痛そうにされてる姿、ベッドで次第に体力を失っていく姿。貫田先生の最期の時を側で見させて頂いてる感覚でした。そして、長年連れ添った奥様に伝える言葉と星空の下で市毛さんが涙を流すシーンは、本当に辛くて悲しくて。泣きに力が入って頭が痛くなりました。
今回、この映画では、それぞれの夫婦のあり方、それぞれの医師・家庭人としての生き方が丁寧に描かれてると思いました。現実はもっと違うものがあるとは思いますが、心温まる物語、綺麗な物語として、観て良かった。となる映画でした。