「紛れもない愛の物語」ハッシュパピー バスタブ島の少女 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
紛れもない愛の物語
わずか93分間の短い時間の中に込められた少女のとてつもない躍動。とてつもない跳躍。煌煌と激しく燃える魂。
この6歳の少女のどこにそんな滾る力が込められているのか。
凄い。この表情。所作。身体言語。
大人顔負けどころか大人喰ってしまった感の激しい演技。
天才じゃないですか!ハッシュパピー演じたクワベンジャネ・ウォレスちゃんは!この娘を観る為の映画というか!
物語も素晴らしい!父と娘の激しい愛情の軌跡!
父親がどうしようもなく我儘で暴れる!暴れる!叫ぶ!叫ぶ!のだけども!
不器用なほどに、暴力的に我が娘を溺愛し、伝える愛情の手段も不器用だから粗雑で荒々しい。
娘はその伝える愛情手段に反発しながらも、それでもしっかりと愛だけは受け止める。愛だけが父娘を結び付ける。
言葉が足らなくてもいい。
暴力があってもいい。
そこに愛があるのなら。
純粋すぎる親子愛の物語。
ファンタジーでありリアル。リアルでありファンタジー。
傑作。
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