天才マックスの世界のレビュー・感想・評価
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天才ウェス・アンダーソンの世界‼️
中高一貫の名門私立校ラシュモアに通う奨学生のマックスは、19ものクラブを切り盛りする一風変わった少年。小学部の教師であるローズマリーに一目惚れしたマックスは、同級生の父親である友人の会社社長ブルームの手を借りて、彼女のために校内に水族館を建設しようとする。が、ブルームもローズマリーを好きになってしまい・・・‼️私は数あるウェス・アンダーソン監督の作品の中でも今作が一番好きですね‼️やはり今作において傑出してるのは主人公マックス・フィッシャーのキャラクター‼️スマートでオタクっぽくて、周りを不安にさせるくらい変わっていながら、同時にファッション・リーダーでもあるという、そういう男子‼️頭はいいのに19ものクラブを掛け持ちしてるために学業不振‼️
◯学校新聞の発行人
◯フランス語クラブ部長
◯模擬国連ロシア代表
◯切手とコインクラブ副部長
◯ディベート・チーム 主将
◯ラクロス・チームのマネージャー
◯カリグラフィー・クラブ 部長
◯天文同好会 創設者
◯フェンシング・チーム 主将
◯陸上十種競技 二軍選手
◯第二合唱団指揮者
◯爆撃チームの会 創設者
◯カンフークラブ 黄帯保持者
◯トラップ射撃クラブ 創設者
◯養蜂クラブ部長
◯ゴーカートの会 創設者
◯フィッシャー劇団 演出家
◯軽飛行機クラブ 飛行機記録保持者
◯タコあげの会 会長クラブ
それぞれの映像を観てるだけで映像的に豪華でユニークですね‼️キャラたちの心象風景を音楽で表現した斬新な演出もホントに素晴らしい‼️ラテン語を復活させるシーンや図書館でマックスとローズマリーが話すシーン、ブルームとローズマリーが散歩するシーン、ブルームがプールに飛び込むシーン、水族館を作るシーン、ローズマリーが水槽の魚に餌をあげるシーンなど、思い出すだけで愛おしくなる名場面です‼️大人顔負けで型破りなマックスなんですが、恋する心情はまんま思春期の青春そのものなんですよね‼️好意を寄せ合うブルームとローズマリーに嫉妬し、自暴自棄になるマックス‼️ブルームの奥さんに密告したり、そのせいでブルームは家を追い出され、ブルームの車のブレーキを壊したり、それを警察に追放されたり、やってる事はホントにガキ‼️しかしそんなマックスがブルームとローズマリーの関係が上手くいってない事を知るや、自ら舞台の脚本を書き、二人を隣同士に招待したりする‼️自己チューだったマックスが愛するローズマリーや親友であるブルームの幸せを願うその姿‼️一人の "男" として目覚ましい成長を見せるマックス‼️その傍にはマーガレットというガールフレンドがいたりして、ラスト、ローズマリーからのお誘いのダンスに恥ずかしそうに応じるマックス‼️ホントにムカつくし、愛おしいキャラですね‼️ウェス・アンダーソン監督だからが描きえた映画史に残るキャラですね‼️演じるジェイソン・シュワルツマンは、あのフランシス・F・コッポラ監督の甥っ子さんらしいんですけど、ホントに一世一代の怪演、見事でした‼️
奇妙な三角関係
主人公のマックス(ジェイソン・シュワルツマン)は妙に大人びた高校生、天才と言うのに部活が忙しくて落第寸前というのも不可解、数々のサークルを立ち上げ、学生と言うよりやり手のビジネスマンのようですね。
ストーリーはありがちな美人教師への片想い、思春期の少年と、いい親父が恋の鞘当てごっことは呆れます、マックスの奇妙なキャラクターと巻き起こす騒動、エピソードを愉しむ趣向の青春コメディでした。
主役のジェイソン・シュワルツマンはコッポラの甥、劇中劇は「地獄の黙示録」にひっかけていましたね。学生演劇に夢中だったところはアンダーソン監督自身の体験談のようです。それにしても本物の爆薬を舞台で使うのは笑えません。
名門私立学校から公立高校への転向でもアグレッシブな所は変わらない、むしろ背伸びをせずに済む分活き活きしたし現実を受け入れたことで成長が見える。
同級生のヤン(田中サラ)が操縦するラジコン飛行機が派手に飛ぶ横で超アナログな凧揚げというのも意味深ですね。劇中名は中国人ですが明らかに日本人を意識しているでしょう。
マックスも演劇にスカウトしたり気はあるようだが、熱を上げているのはヤンの方、まるで日米関係のメタファーにも思えます。ラテン語授業が日本語に変るエピソードも経済的に勢いづいていた当時のジャパンブームへの皮肉でしょう。そんな時代背景、小ネタをふんだんに織り込んでいますね。
映画としては面白いですが、マックスとお友達になるのは疲れそうで遠慮したいです。
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