劇場公開日 2013年3月29日

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「ヒロインを演じることの難しさ」アンナ・カレーニナ arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ヒロインを演じることの難しさ

2014年2月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

何度も映像化されている世界的に有名なトルストイの小説『アンナ・カレーニナ』。
監督のジョー・ライトは過去の作品との差別化を図るため舞台劇に見たて劇場自体を様々なシーンに利用している。場面転換はスムーズだしとてもよく考えられている。
ただ、これが観客が物語に入り込むための、あるいは登場人物の感情を理解するための助けになっているかと言えば疑問だし、登場人物のダンスの振り付けのような動きにも違和感を感じた。

もちろん、小説を読む人、映画を観る人が何をどう感じるかは人それぞれだが、この物語の場合、いかにアンナの行動を観客に理解させるか、最後まで観客を彼女の味方にしておけるかは結構重要なことなんじゃないかと思う。
下手をしたら、自業自得の上、破滅した哀れな女と受け取られても仕方のない役だが、それでもこの役を演じる女優は観客に嫌われてはいけないと思う。
それは、女優だけの問題ではないが、キーラ・ナイトレイにそこまでの説得力があったかと言えば疑問が残るのも確かだ。

と、ヒロインには感情移入するのが難しかったものの、コンスタンチンとキティのカップル(ヒロインを巡る三角関係の対極としての)行く末には共感出来た。二人が気持ち文字遊びを使って確かめ合うシーンは良かった。

アカデミー賞衣装デザイン賞受賞作品だが、衣装よりもアクセサリーの使い方が素敵だった。

arakazu