「孤独っち」グレイトフルデッド kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独っち
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「絶倫」という名の孤独死老人が凄い!ナミの孤独観察日誌に詳細に書かれた孤独人間のデータ。そして、中央公園の鳩に餌を与えてる「クックル」に目を付けたナミが、やがて猟奇的とも言える犯罪を冒していく・・・
母親がボランティアに狂ってしまい孤独感を植え付けられたナミは、父親の愛人だと思っていた「秘密の部屋のアッコちゃん」が狂信的な宗教家だと分かったとき、彼女の運命は変貌を遂げる。そんな家族の中でも姉だけは「普通」を愛していたのだ。
アメリカンロックのバンド名にもなっている「グレイトフルデッド(gratefuldead)」。この作品はgratefulではなくgreatful。尊厳死みたいな内容を予想していたけど、どちらかというと感謝の意味を示すラストでした。
孤独な人間を観察するという常軌を逸した趣味を持つナミ。TVショッピング番組を一人でずっと見ていた幼少期の彼女の孤独感はそれほど感じられなく、むしろ人を平気で傷つけてしまう痛みも罪悪感もない精神障害を持ってるとしか思えなかった。ただ、それが後半の異常な展開に結びついてくる。キリスト教の「赦し」もかかわってくるのに、その信仰の基本をも破壊したがっている雰囲気。
ホラーサスペンスのような終盤は秀逸だったし、ナミの独占欲(性的虐待か?)と塩見の復讐心が絶妙なまでに交錯するのだ。おバカなB級映画ととらえてしまうのもよし。こういう精神状態になることもあるのだと驚くのもありだと思う。そして、スヨンの最後の「可哀想な人」が全てを表していたなぁ。だけど、秘密の部屋のアッコちゃんの存在はそのものが謎・・・キリスト教を盗用したカルト教団のような気もする。
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