「ただ淡々と」小さいおうち komutinさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ淡々と
出演する役者陣が東京物語とほとんど同じなのは、敢えてなのでしょうか。東京物語が現代の家族の物語とすれば、小さいおうちは昭和初期の家族の物語。
赤い屋根の小さいおうちには、幸せもあったし微かな波風もたった。小さな秘密は女中のタキちゃんの胸の中にしまわれたまま。
戦争が絡むと一気に重くなるところなのに
そう感じさせない。かといって軽んじているところもなく、淡々と描かれているのがかえってジワジワ切なくなった。
タキちゃん役の黒木華さんも、しっかりと淡々と演技されていて良かった。控え目でいて芯のある女中さん、華さんを選んだ山田監督は流石だな。
倍賞千恵子さんと、久石譲さんの音楽が合わさるとどうしてもハウルの動く城になってしまうのは私だけだろうか(笑)
淡々としていてこういう映画は苦手という人もいるだろうけど、エンターテイメントを求めずにじっくり映画を観たい人にはお勧めしたいと思う。
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