劇場公開日 2014年1月25日

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「顔の表情、手の表情、そして佇まいが非常に良かった。」小さいおうち Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0顔の表情、手の表情、そして佇まいが非常に良かった。

2014年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

布宮タキを演じる黒木華。
平井時子を演じる松たか子。
この二人の演技が非常に良かった。

女性がより控えめな、この時代。
東北から奉公で出てきている布宮タキは大人しい性格の上、御国訛りを隠そうとする気持ちも加わり言葉少な目。
ですが、彼女の顔の、手の表情、佇まいが醸し出す雰囲気で全てを表現しており、言葉が無くとも気持ちが伝わります。
黒木華が好きなので若干贔屓目で観ている点は否めませんが、それにしても凄かった。

またモダンな考えを持つ平井時子も妻の顔、母の顔、女の顔が上手く出ており、松たか子という女優の凄さを感じた作品でもありました。
時に妻の顔と女の顔が混在している所の表情も良かったです。

あと本作で特筆すべきは、黒木華と松たか子の手の表情。
言いたいことはあるのだが言えない状況で手の動きや所作で想いを表現する。
口に出す言葉と手の動きが必ずしも一致しない、ということが当たり前なのですが新鮮でした。

周りを固める役者陣も安定的で安心して観ることが出来ました。
板倉正治を演じる吉岡秀隆も映画「ALWAYS 三丁目の夕日」での過剰で雑な演技はなく、やはり監督次第なんだなぁなんて思ったりもしました。

惜しむらくは現代篇のユキを演じる木村文乃。
周りの安定感も相まって彼女だけが浮いていました。
というか極端に下手で不自然に見えてしまったのが残念でした。

あと作品とは直接関係ないですが劇場内の予告編。
作品の或る重要なシーンをある程度の尺をとって流しているのですが…あれは流しちゃ駄目でしょうよ。
確かに作品の凄さは伝わるのですが、それと引き換えに失ったものが大きすぎる。
あのシーンは作中で初めて観たかった。。

兎にも角にも黒木華と松たか子が素晴らしい本作。
劇場内のマナーが極端に悪い年寄連中に我慢出来るのであれば、非常にオススメです。
(個人的な印象ですが最近劇場内の年寄のマナーの悪さが目に余ります)

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Opportunity Cost