「荒みすぎ」嘆きのピエタ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
荒みすぎ
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金属加工の工場ばかりを相手にした借金取りの話。韓国では障害を持つと簡単に保険金が出るという仕組みなのか、町工場でそんな事故が立て続けに起こっていれば保険会社が怪しむのではないかとちょっと腑に落ちないところがあった。現金の10倍の利息が付くシステムがおかしいし、韓国大丈夫かと心配になった。
そして腕をなくしたり歩けなくなった人が、工場で働くこともできなくてみんな悲惨な人生を送るようになっていた。怪我を負わせる場面がとても怖い。演出だし、映画だから絶対に安全な方法で撮影しているに決まっているんだけど、内臓がギュッとなるほど怖かった。
それで、ひどい目に合された人が主人公に恨みを持って「法律がなかったら殺してやりたい」と述べる。ひどいことになっていても順法精神があるところが立派だと思った反面、恨みの程度がそのくらいなのかと思った。捨て身でくる人間が一番恐ろしい。
その捨て身の人間がお母さんに成りすましているおばさんだった。みんなお金と借金の制度と保険金のシステムの被害者だと思う。みんな幸せにしてくれる社会にして欲しいと思った。とにかく荒んでいて暗い映画だった。
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