「世界の自警団!!!!本格始動だ!!!!」アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
世界の自警団!!!!本格始動だ!!!!
あのアベンジャーズがまた結集するぞッ!シールドなき今!悪党はびこる世界に!我らのアベンジャーズが!再び立ち上がるッ!目に焼き付けろッ!これが世界規模の自警団だッ!国境もないッ!人種もないッ!垣根一切なしッ!明日の敵は今日のアベンジャーズであるッ!それ行け!アベンジャーズ!闘え!アベンジャーズ!
えー、と。と、いうことでね。
アベンジャーズとしては2作目で、MCU作品としては第11作目というね。なんだこの壮大な一大絵巻は、と。本当にここまで世界観を繋げちゃったよ、と。
少しね、感慨深くなってもしまいますよ、自分は。なにしろ2008年の『アイアンマン』からの付き合いですから、自分は。自分は。
今作は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から端を発した“ヒドラ党暗躍”と“シールド解体”という二つのキーワードが或る意味では鍵となり、新キャラ参入(スカーレット・ウィッチとクイック・シルバー)も添えてね、言ってしまえば『ウィンター・ソルジャー』の続編的な位置づけなんですね(『ウィンター・ソルジャー』を観てない方はこれを機会に是非)。
で、まあMCUファンとしてはそれを踏まえてね、この映画に臨む訳です。そこ辺りの雰囲気というかね、ニュアンスでね、話が或る程度の、こう、ゆったりとしたノリで進むんだろうな、と。そういうつもりで鑑賞するんです。したんです。
まぁあぁ、ビックリですよ。ええ?ええええ?という。という、はっちゃけまくりの冒頭でね。
初っ端からクライマックス!諸々の事情をすっ飛ばす荒技展開!アクション!アクション!アクションのつるべ打ち!つか、過去の諸々の事情すっ飛ばし過ぎて今までの過程やら何やら一体どうなってるの!?の説明ひとつもなし!観客はイキナリ戦闘の只中に放り込まれる!
つまりは、要するに、いきなりアベンジャーズ集合しちゃってるんですよ!!!!
この、とびきりのファンサービス精神!で幕を開けるんです!たまりませんでしょ!!!
説明省きまくりイキナリのアベンジャーズ活躍からの冒頭という、英断(と言い切りますよ)。これ、よくやりましたね。よくやりました。偉いです。うん。
我々は全員知ってるんですよ。もう既に。アイアンマン、ハルク、ソー、キャップ、ブラックウィドウ、ホークアイを。全員知ってますでしょ(分からない!て方は『アベンジャーズ』をこの機会に是非)。
これを色々ね、理屈こねて再結集に到るまでの過程を描くのをまどろっこしいと判断した、ということでしょ?監督のジョス・ウェドンと製作のケビン・フェイグは。
これね、あれですよ。今までMCUを観てきてなくて、この『エイジ・オブ・ウルトロン』から初めて観た、て一見さんには非常に優しい作り、仕様に、結果的にしてるんです。
要するにMCUを観てなくても、なんとなく分かってるじゃないですか。アイアンマンとかハルクとか。なんとなく姿カタチは知ってるよ、みたいな。そのなんとなく知ってるキャラが映画の冒頭から全力で、しかも最後まできっちり戦ってくれてる。訳が分からなくてもいいんです。とんでもSFアクションを大きなスクリーンで観られる楽しみは味わっていられる。これで、なんなら新規のMCUファンも獲得できちゃってるかもしれない!一石二鳥じゃん!と。
あと、一見さんがいくら訳が分からない、と言ったって、今回の敵はトニー・スタークが作った「ウルトロン」という人工知能ロボットの暴走だよ、と最初からアナウンスしているし。アベンジャーズがウルトロンを止める為に奔走する、て筋書きに何の複雑さもない。複雑にしてもいない。
シリーズが11作品もあって、こんなに間口の広いヒーロー集合映画もないですよ?と、思いませんか。ねえ?うん。
……うん。うん、まあね。まあ以上が建前です。こっからが本音です。
あのねえ。とは言っても、説明が少ないの。いや、別に説明少なくてもいいけど、事情が分からなすぎるでしょ。突然のアベンジャーズ全員投入!に対しての詳しいディティールがないでしょ。色んなこと省き過ぎでしょ。いや、ファンだったらば別に脳内で勝手に補完は容易いけれど、そういうことじゃないでしょう。余りにも端折りすぎでしょう。
シールドなくなった今、他人(ニック・フューリー)に付けられた「アベンジャーズ」というチーム名で以って、抵抗なく「我らアベンジャーズ!」と名乗って自警活動してるのも、正直言って「はあ?」となるでしょ。ここ、もうちょっと、五分でもいいから時間を割いて経緯を挟みましょうよ、と、なるでしょうが。まあ、自分はそう思ったのですよ。
監督のジョス・ウェドン、今回はちょいと力技が過ぎるなぁと。いや勿論、映画は最高に楽しいですよ。楽しくない訳がないでしょう。また彼らが、トニーが、バナー博士が、ソーが、キャップが、今回、さも当たり前のように共闘してくれてるんですからね。
でも足りないよと。『ウィンター・ソルジャー』から『エイジ・オブ・ウルトロン』の間のエピソードを向こうの本場アメコミで補完したプレリュードがあるらしいのですけれど、そんなこと映画には関係ないですから。そういう不満を内包したまま、自分は映画を最後まで観ていました。
総括、自分としての総合的な結論、感想は次のアベンジャーズまで“保留”と致します。まあ、文句だらだらと垂れ流してきましたが、これだけは言えます。“最っ強にぶちアガる”映画であることはね、間違いないです。これは本音です。