劇場公開日 2014年3月14日

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「キビしいようだが星2つ半」アナと雪の女王 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5キビしいようだが星2つ半

2014年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

絵は綺麗だ。とくに抑制していた力を開放する喜びを謳いあげるエルサの動きが素晴らしい。先に身体を描いて、あとから衣装をテクスチャしたのではないかと思えるような細やかな動きは、これまでのアニメと次元が違う。オープニングの、湖から引き上げられる氷も美しい。

ただ、“禁断の力”をコントロールできないことに悩むストーリーは「X‐メン」と変わらず、アニメだからこそ描ける素材ではない。しかも決定的な悪役が不在で、話にひねりもなく、ミュージカル調にしたことでなんとか間が持った感がある。言い替えれば、ミュージカルを選択した制作陣の作戦勝ちともいえるが、トナカイのスヴェンが「塔の上のラプンツェル」の馬・マキシマスといった過去の作品のキャラと重なるなど新鮮味も乏しい。
終わってみれば、エルサが「Let it go」を歌う数分に頼り切った作品。長めのアトラクションを楽しんだと思えば損はないが・・・。

むしろ、本篇の前に上映される短編「ミッキーとミニー救出大作戦」の方が密度が濃い。「蒸気船ウィリー」(1927)を彷彿させる初期のミッキーが、ラウンドコーナーのスタンダードサイズで動きまわる。もちろんモノクロ。懐かしい悪役ピートも絡んで、これがスクリーンから3Dで飛び出すとスコープサイズのカラーになる仕掛け。本篇よりもこっちの方が楽しい。

p.s. この作品、3月17日にTOHOシネマズ六本木ヒルズの7番スクリーン(15:40の回)で観たが、本篇が始まる前の予告篇(「紙兎ロペ」も含む)からずっとコントラストのないくすぶった色調だった。TOHOシネマズに確認のメールを出したが未だ回答がない。

マスター@だんだん