「ミュージカル映画?」アナと雪の女王 ススギさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカル映画?
冒頭の氷どや!よかった。
音楽が素敵。
雪だるまつくろう、生まれて初めて、おかしなこと、letitgo、オラフの夏の歌、素敵だった。
ただ、リトルマーメイドや眠れる森の美女やシンデレラとは一線を画する現代風の楽曲。トイストーリーの継承でもない。
手書きアニメは背景と動画が色味の点で差ができていた。観客が注目するところが限られ、製作者の見せたいところ、画面で魅せるべきところがある程度決まる。なので、歌にもセリフにも画面にも集中できる。
しかしCGとなると、背景と動画などと差はなく、実写よりもむしろ鮮明に画面が描かれる。なので、ピントが合っているとか、コントラストが違うとかしてくれないと、どこをみればいいか無意識に決定できない。視線はあちこちに向き「あ、雪の結晶がきれい」「群衆の子かわいい」と注意が散漫する。
結局なにを見ていたか、あとから思い出せない。
魅せ場はきちんとコントラストを変えるなどしているからいいけれど、そうでないストーリーの進行部などではここだという魅せ場があるわけではないので、劇場を出た今、そこが記憶から抜け落ちている。
覚えてられないのは年のせいかもしれないけど、確実に、これはCGアニメの性であると思う。
ストーリーはエルサが山に引きこもるまでが山場で、あとは完結させるための王道物語。終盤はミュージカル要素一切なし。
アナが凍りつくという緊迫感の中で歌ってられなったのはわかる。裏切られて悲しいとか、クリストフへの愛に気付いたとか、アナが死んで悲しいとかをもし歌ってたら、がっかりしただろう。
ミュージカルというのはストーリー進行と歌のバランスが必要で、観客を冷静にさせないテンポの良さが大事になるのはわかる。だけど、最後はハッピーエンドだし、姉妹の歌で締めてくれたら最高だった。せっかくのダブルヒロインの掛け合いが別々の曲と喧嘩の曲しかなくて、残念。