「映画ビジネスにまみれたプリンセス。」アナと雪の女王 HIROKICHIさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ビジネスにまみれたプリンセス。
CGのビジュアルはとても良いのですが... 内容的にはガッカリしました。
まず封切り間もない頃の Yhaoo! ニュースで…「YouTubeでそれぞれの国の声優が歌う主題歌『Let it Go』の中でも、松たか子が歌う『Let it Go』が大絶賛!! 」と 2~ 3のコメントとともに紹介されたていたのですが...
そりゃあ世界のYouTube、何千何万というコメントの中にはそういう意見もありウソではないでしょう。でもそれはそれぞれの国で言える事でけして「大絶賛‼︎」には繋がらない、でも「大絶賛‼︎」なんていきなりニュースになるもんだから翌日のワイドショーでは、あたかも松たか子の歌う『Let it Go』が世界で一番!的なナショナリズムをくすぐる宣伝にすり替わっていた。
上手いなとは思いましたが、なんか悲しくなりました...。
それでも、それにあった内容であれば広報の手腕として評価に繋がるのかもしれませんが、実際の作品の内容がともなっておらず...
【この先ネタバレあり】
あの大流行の『Let it Go』も"ありのままの自分らしさを大切に生きる"という内容ですが、主人公エルサ(雪の女王)が触る物を氷に変えてしまうという、特殊な能力が国民に恐れられ、それを嘆き「人は人、自分は自分" ... だから人の事は気にせずこれからは自分一人だけの世界で生きて行く」と、要するに逆切れと言うか、開き直るシーンで、山に逃げ込みながら歌う曲 !!
このシーンを素晴らしいCGのビジュアルとともに効果的に流し、子供達が一緒に口ずさむのだから何とも聞いていて悲しくなります。
そして最後までこの調子でストーリーは進み、ラストも結局エルサの魔力を押さえられるものは "両親の愛"でも、"子供の頃の姉妹の愛"、でもなく...
元来ディズニープリンセスの魔法を解く鍵は "分け隔たりのない愛" でなくてはならないはずなのに...と残念な思いが残る、後味の悪いエンディングでした。
おそらく子供は内容まではわかっていないにしろ、これをディズニー映画として多くの人が流されて観て興行成績何位!! なんていう数字ばかりをかき立てた報道を見ていると、僕たちが子供の頃から見ていたディズニー映画は今後もう観れなくなってしまうのではないかという不安が強く残りました。
もし、これからご覧になる方はCGや演出にごまかされずにこの作品の根本をしっかりと見極めてもらいたい。
ディズニー映画の大ファンなので熱く語り過ぎました…W