「姉妹に魅力を感じなかった」アナと雪の女王 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
姉妹に魅力を感じなかった
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総合60点 ( ストーリー:40点|キャスト:55点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:75点 )
映像技術は凄くて、雪と氷の表現など個々の部分は上手かった。しかし美しさや躍動感の絵全体の表現としては技術が活かしきれていない。
登場人物はエルサは自分の能力を恐れて引きこもりの孤独好きで人と交わらず女王としての責務を放棄するし、アナは世間知らずであまりに短絡的で、それほど魅力を感じなかった。あの有名な「Let It Go~ありのままで~」だって、エルサが女王としての職務を投げ出して山奥に逃げて一人で引きこもる心情を表した歌だったとは思わなかった。自分の国での立場の悪さを知っていて野望のために努力する王子のほうが、悪人だとしても前向きに頑張っているだけむしろ評価できた。ただし松たか子・神田沙也加の声優は歌も含めて頑張っていたと思う。
物語は粗い。エルサが戴冠するまで国を率いた人がいるだろうに、その人がエルサが消えた後に来たばかりの王子に仕切らせて何をしていたのだろうかとか、王子がアナを殺しもせずに殺したと言って国を乗っ取ろうとしたとか、その時の王位継承権はどうなっているのだろうかとか、凍った心が簡単に溶けたりと変な部分がいくつかあった。元々は子供と家族向けの映画だろうからたいして重要でもないのだろうが、全体の流れとしてもそれほど魅力的とは思えないエルサの心を溶かす途上の混乱話にそれほど魅かれはしなかった。
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